レストランの新トレンド「ターブルドット」とは? 東京と山梨の人気店3選
今、大テーブルをゲスト全員で囲む「ターブルドット」スタイルのレストランが 、世界的に話題になっているのをご存知だろうか? 直訳すると「主人がもてなす食卓」という意味だが、もともとはホテルの主人やレストランの店主がゲストと同じテーブルにつき、目の前で料理を行うことで、その場に居合わせた者同士食事を楽しむフランスの食事形式の一つだった。 テーブルを囲んで皆で同じ料理を食べることで、体験を共有したゲスト同士の間に共通の高揚感を生む食のスタイルは、これからますます日本でもトレンドになっていきそうだ。今回は、そんな形式をいち早く取り入れた、東京近郊のレストランを厳選して紹介したい。
Florilège(フロリレージュ)@虎ノ門
2018年にミシュラン二つ星を獲得し、2024年の「アジアのベストレストラン50」では第2位という輝かしい評価を得た川手寛康シェフが担う「Florilège(フロリレージュ)」は、2023年秋に麻布台ヒルズに移転オープンした、ターブルドットを代表するフレンチレストランだ。 以前の店舗は劇場型レストランの最高峰とも言われていた同店。ゲスト・スタッフ全員で一つの大きなテーブルを囲むレストランの形態は、「より親密に落ち着き、くつろいだ時間をお客様と共有したい」という想いから、長年シェフが構想を温めてきたものだという。まるでレジデンスに招かれたような、温かみのある空間を思う存分満喫しよう。
川手シェフと言えば、トルコをはじめとする世界料理学会に登壇し、サスティナブルな活動に積極的に取り組んでいることでも知られる。それゆえ、コースはプラントベース重視。肉や魚、乳製品のウェイトを減らした、野菜中心のラインナップとなっている。野菜はシェフ自ら地方に足を運んで農家と直接取引をすることも多いそうだ。ランチは¥11,000(サービス料別)、ディナーは¥22,000(サービス料別)楽しめるのがうれしい。 例えば、ローストした茄子とピューレに柑橘をプラスしたサワークリームといくら、抹茶のオイルなど合わせた「茄子」は、抹茶独特の風味と苦みがアクセントになった逸品。 誰もが知る身近な野菜のうま味を、時間と手間をかけて引き出し、緻密な構成と独自のアプローチで唯一無二の一皿に仕上げてくれる。