男子走幅跳の橋岡優輝が優勝でパリ五輪内定も内容に不満 五輪本番まで「忙しい1か月になる」【日本選手権3日目】
■パリ五輪へ残り1か月で立て直す しかし、悪い内容ばかりではなかった。「(4回目以降の)後半になってやっと体が反応してきてくれました。その分走れてきて、助走距離が(前半と変わって)踏切板に全然合わなくなってしまいました」 助走スピードを上げることで、橋岡の場合は助走距離が短くなる。以前の走り方が地面からの反発重視だったのに対し、新しい走り方はピッチを速くする要素が強いからだ。踏切板に届かず4回目が7m54、5回目は7m60と記録は下げたが、助走の内容は少しずつ上向いた。 「4、5回目の記録はあまり気にしていませんでした。6回目はファウルになりましたが、最低限の最低限くらいの助走ができました」試合直後なので橋岡のコメントは「クソみたいな試合をしてしまった」と自身への憤りを感じさせるものだったが、日本選手権の最後の1本で今後、やるべきことが見えてきた。「1か月前でこれはやばい。残り1か月は忙しくなる」と自身に厳しい言葉を並べたが、「でも1か月あればなんとかなるだろう、と思いますし、本戦になれば気合いも入る」と前を向いた。 橋岡の言葉は強がりには聞こえない。過去の世界大会では18年世界ジュニア(現U20世界陸上)優勝、19年世界陸上ドーハ8位、21年東京五輪6位、22年世界陸上オレゴン10位と国際大会で実績を残し続けてきた。 「最後は気持ちかな、と思います。跳躍練習でもかなり良い感じでできていますし、GGPでも実戦の中である程度足が速くなった助走はできたので。その噛み合いは最後、本番になってここ1本という緊張感、プレッシャーの中であれば勝手にはまってくる」橋岡が持っている勝負強さが発揮されれば、今の状態を一気に好転させられる。 (TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
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