90年の歴史に幕…大阪メトロ、「百葉箱」完全撤去
大阪メトロは駅のプラットホームの温湿度を測定するために設置していた百葉箱を2025年3月までに完全撤去する。現在8駅に設置しており同1月に撤去を始める。測定機器の小型化・デジタル化で百葉箱が不要になっており、役目を終えたと判断した。撤去した百葉箱は25年春ごろ予定の中央線森ノ宮駅の改装で生じるスペースに展示、歴史を後世に伝える。 同社は駅の環境変化を測定するため1934年に御堂筋線淀屋橋駅に百葉箱を設置した。ピークの60年代には21駅にあった。環境測定の成果で65年に地下鉄初の駅舎冷房を御堂筋線梅田駅に設けた。 現在は百葉箱に小型のデジタル温湿度計を入れて4カ月に1度データチェックする。約90年分のデータが蓄積されているが利用機会はない。 2011年ごろに一度撤去を決めたが、惜しむ声が多く見送った。