尾上菊五郎が2人になる今年の歌舞伎界 注目の若手の成長に一役買っているのは…
【芸能 覆面座談会】2024年もいろいろなことがあった芸能界。年明けからダウンタウンの松本人志が週刊文春との訴訟に注力するため活動休止入りし、お茶の間を驚かせました。音楽界では元日にデビューしたNumber_iがブレーク、映画界では日本作品の米アカデミー賞受賞というめでたい話もありました。2025年はどんなニュースが世間を賑わしていくのでしょうか。いつものメンバーが2025年の芸能界を占います。 芸能リポーター 昨年は歌舞伎界にとって、世代交代を予感させる1年となった。10月に市川團十郎が2年に及ぶ襲名披露興行を完走した。最後は大阪・松竹座で「雷神不動北山櫻」「連獅子」を演じた。 本紙デスク 襲名といえば、今年は尾上菊之助の八代目尾上菊五郎襲名が控えている。團十郎と並ぶ江戸歌舞伎の大名跡。父親の七代目菊五郎も名前を変えずに活動を続けるため、歌舞伎400年の歴史上初めて同じ大名跡が2人同時に存在する異例の形となる。菊五郎は「初心の気持ちを忘れずに、作品の魅力をストレートにお客さまにお伝えしたい」と意気込んでいるようだよ。 ワイドショーデスク 團十郎と菊五郎は同学年。幼少期からの付き合いで、切磋琢磨(せっさたくま)してきた関係だ。團十郎も「襲名でできる限りそばにいたい」と菊之助を全力バックアップしていくことを約束している。 週刊誌記者 菊之助も團十郎も古典を大事にしつつ、新たなことに挑戦している。「令和の團菊」として歌舞伎界を盛り立てていって欲しいね。 ワイドデスク 世代交代といえば2日に浅草公会堂で初日を迎えた「新春浅草歌舞伎」も世代交代をしたね。昨年、これまで10年にわたって同公演をけん引してきた尾上松也、中村隼人らが卒業した。今年の公演では、新たに中村橋之助や中村莟玉らが中心となり、新しい座組となった。 リポーター 中村橋之助は今年が7回目の出演。初めてリーダーを務める。自身は3兄弟の長男で、性格もリーダー向き。どのようにリーダーシップを発揮して、若手を引っ張っていくのかにも注目だね。 本紙デスク 公演では「絵本太功記」の武智光秀も演じる。役は父の中村芝翫から教わって、カツラも芝翫が以前使っていたものを使うようだ。20代最後となる1年の始まりにどのような芝居を見せてくれるのか楽しみだ。 週刊誌記者 弟の中村福之助、歌之助も注目株だ。3兄弟を中心に自主公演「神谷町小歌舞伎」を行うなど、精力的に活動している。父親の女性スキャンダルで逆風にさらされることもあるだろうが「成駒屋三兄弟」にはこれからも頑張ってもらいたいね。 リポーター 次世代を担うといえば、市川染五郎と市川團子も忘れてはいけない。團子は昨年12月の歌舞伎座で「天守物語」に出演した。人間国宝の坂東玉三郎との共演は好評を博した。 ワイドデスク 天守物語は玉三郎による抜てきだった。スーパー歌舞伎では主演を務めるなど、最近の團子の活躍には目を見張る物があるね。 本紙デスク 團子の成長には執行猶予中の市川猿之助も一役買っている。表舞台には出てこないが、團子の稽古を見たり、他の役者にもアドバイスをすることがあるようだ。 週刊誌記者 猿之助の表舞台復帰の道はまだ険しいだろうが、芸は歌舞伎界随一。今後も後輩に有益な教えを授けてほしいね。