佐久間朱莉、来季悲願の初Vへ弾み〝最終戦〟MVP 竹田麗央・古江彩佳ら強力メンバー押し退け最高な笑顔 ゴルフ「3ツアーズ選手権」
【SPORTS BAR】 今季を締めくくる国内ゴルフ「3ツアーズ選手権」(千葉)が8日、行われた。男子(JGTO)、女子(JLPGA)、シニア(PGA)各ツアーの賞金ランク上位者らによる6人制の団体戦で、女子が2大会連続8回目の優勝を飾った。 【写真】1打差で初優勝を逃し涙を流す佐久間朱莉 そこに最高な笑顔があった。「今日は、すごく幸せな一日でした」とは佐久間朱莉(21)である。今季、初優勝から8勝を挙げて年間女王に輝いた竹田麗央(21)、米ツアーのメジャー(エビアン選手権)覇者である古江彩佳(24)ら、強力メンバーを押しのけてMVPに輝いたのだから無理もない。 あの日、涙が止まらなかった。抑えてもこぼれる、悔し涙。今年4月の「富士フイルム・スタジオアリス」(埼玉)最終日を首位タイで迎え、いきなり1番でイーグルを奪うなど66とスコアを伸ばしたが、阿部未悠に1打及ばず2位。「すごくいいゴルフだった。でも…」と声を絞った。 5月の〝国内メジャー初戦〟「ワールドレディス・サロンカップ」でも2位。「また勝てなかったという気持ち」と唇をかんだ。今季は2位が3度、トップ10入り14度と安定した成績を残し、何度も優勝争いしたが、初優勝には届かなかった。 資質は抜群である。中学3年時にアマチュアで出場した2017年の日本女子オープンで原英莉花と一緒に回り、その縁で尾崎将司プロに師事した。21年のプロテストではトップ合格し、その年のステップアップツアー「京都レディスオープン」で新人一番乗りで優勝。埼玉・川越生まれで同郷の同期に岩井ツインズがいる。ツアー6勝の明愛、同7勝の千怜の2人に後れをとった感があるが、今季のスタッツを見ると〝初優勝〟は近いと感じる。 トータルドライビング(ドライバーの平均飛距離とフェアウエーキープ率のポイント合計)は2位、ボールストライキング(トータルドライビングとパーオン率ポイントの合計)は1位。つまりウッド、アイアン、ウエッジの〝総合力ショット〟の抜群の安定性は強みである。そして〝最終戦〟でMVP。「来季は優勝したいし、今季より良い成績でここに戻ってきたい」と年の瀬に手応えを感じ、佐久間が笑顔になった。 (産経新聞特別記者)