【就活】面接官「ご希望の部署は?」⇒「どの部署でも頑張ります!」が実は効果的な回答ではないワケ 最終面接の〈答えにくい質問〉対策【キャリアコンサルタントが解説】
面接官:「最後に、何か質問はありますか?」
■逆質問タイムは選考に影響しない これが逆質問に対する結論です。どの面接でも、最後に与えられる逆質問タイムで「人事が唸る逆質問」、「思わず内定を出してしまう逆質問」、「マジで評価が高かった逆質問」なんてものはこの世に存在しません。断言しますが、それまでの面接の流れで「これはお見送り」、「これは通過」と面接官が判断していた評価を、最後の逆質問だけで覆すことはあり得ません。逆質問の都市伝説を流布する自称キャリアの専門家・就活のプロに騙されずに、志望企業の社員である面接官に聞いてみたい、その会社にまつわる「興味・関心」を確認する程度にしましょう。 もちろん、「興味・関心」ですので、基本的には何でも構いません。社会人の先輩となる様々な企業の方々へ、率直に質問できる機会はそうありません。せっかくの逆質問タイム、自分と企業とのマッチ度を測るためにも、必要な情報を取りに行く質問等で有意義に使いたいものです。 ただ、もったいないと思ってしまう、できれば控えるべき逆質問が2つあります。 (1)調べれば簡単にわかることを聞く。 (2)今日の面接についてフィードバックをください、と依頼する。 (1)については、給料・福利厚生等の待遇面や残業時間といった「働きやすさ」が代表ですが、これらは企業分析をしていれば確実にわかることです。調べればわかることを聞いてしまうと、「そんなことも調べていなかったんだな」と、ガッカリ感を面接官に与えかねません。控えましょう。 可能な限り調べた結果、どうしても曖昧な部分が残っている場合は、「働きやすさ」以外の「働きがい」や「働きかた」も含めて、遠慮なく質問してください。認識違いからの「こんなはずじゃなかった」がお互い最も不幸な結果になる原因ですので、疑問や不安を逆質問で解消しつつ、業界研究・企業分析を深めてください。 (2)については、初デートのときに「今日のデートコース、どうだった? 他の人とのデートの参考にするから、感想をちょうだい」と聞いてくるのと同じですから、正直ドン引きです。自社の面接を踏み台にしていると捉えられてしまうので、「人の気持ちを考えていない」、「自分本位過ぎる」、「やはりコミュニケーションに難あり」と、著しいガッカリ感を面接官に与えかねません。控えましょう。もちろん、「どんな経験を積めるのか、上司や先輩からどんなフィードバックが得られるのか」みたいな、社風を知る上で大切な要素を聞いたり、今後のキャリア、「働きかた」を考えるうえでもプラスに働くフィードバックを聞いたりするのはOKですので、遠慮なく質問してください。 逆質問は企業を選ぶ判断材料に使えます。質問するのもされるのも、相手をよく知るためのものです。コミュニケーションとは会話のキャッチボール、恐れず質問に堂々と答え、また自分からも質問しましょう。そんな面接に過度の緊張を覚えることなく、楽しんでくださいね! 森田 昇(もりた のぼる) キャリア開発・DX講師、ITベンチャー企業の外部人事部長 キャリアコンサルタント、中小企業診断士。一般社団法人リベラルコンサルティング協議会代表理事、日本能率協会マネジメントセンターパートナー・コンサルタント。 IT業界20年の経験と転職10回したつまずきを基に、キャリア開発・DXの研修講師として100社以上に研修を実施、再就職支援セミナーをハローワークで100回超開催。キャリアコンサルタントとして学生含めて約2,000人の転職と再就職・就活支援を行う。またITベンチャー企業の外部人事部長として新卒・中途採用に携わる。 著書に『売れる!スモールビジネスの成功戦略』(明日香出版社、2020年)、『年収300万円から脱出する「転職の技法」』『生涯収入を最大化する「就活の技法」』(どちらも日本能率協会マネジメントセンター)がある。
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