処方された薬をためておくのはダメなの? 薬は高くて病気のたびに買っていられないのですが……。
病院で処方された薬(処方薬)が自宅にたまっていませんか。処方薬が自宅にたまる理由はさまざまですが、飲み忘れて徐々にたまってしまうケースが目立ちます。中には、節約や病院に行く手間を省くためにためている人もいるでしょう。 そこで今回は、処方薬を自宅にためておき、後日服用するのは問題ないのかを解説していきます。
処方薬をためておくことはできないのか?
結論からいうと、処方薬を自宅にためておくことは、してはいけません。処方薬は処方された日数分を飲み切るもので、基本的には余ることはないためです。医師は診察のうえで必要な量の処方箋を出しているため、原則としては飲み切ることをおすすめします。 しかし、飲み忘れや症状の緩和などで処方薬が余ってしまうケースもあるでしょう。万が一処方薬が余った場合も、時間がたってから飲んだり他人にあげたりすることはできません。 処方薬とは、医師がその患者の病状や体質などに応じて指示した処方箋に基づき、薬剤師による調剤によって処方される医薬品です。 処方箋を他人に譲った場合、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と「麻薬及び向精神薬取締法」に抵触し、「三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」「五年以下の懲役に処し、又は情状により五年以下の懲役及び百万円以下の罰金」などを課せられる可能性があるため注意しましょう。
処方薬が余ったときはどうすべき?
処方薬を頻繁に飲み忘れると、自宅にどんどんと在庫が増えていってしまいます。「飲み忘れを医師に伝えると怒られそう」と思い、なかなか言い出せない人もいるのではないでしょうか。 そのような場合は、薬局で相談するとその分を減らして処方薬を出してもらえる可能性があります。また、大量に処方薬がたまっている場合は、薬局で使用期限を確認してくれるため、ぜひ気軽に相談してみましょう。
処方箋の有効期限は4日以内
最後に、注意点として処方箋に有効期限があることを紹介します。保険医療機関で交付される処方箋の使用期間は、交付の日を含めて4日以内と定められています。 有効期限を過ぎると調剤薬局では受付できなくなり、医療機関で再発行をしてもらう必要があります。しかも再発行は健康保険が適用されず、費用は全額自己負担となるため注意しましょう。