【70代からの挑戦】“優雅な生活”捨て73歳で会社を引き継いだ女社長 従業員一斉辞職の危機を乗り越え、新たな挑戦続ける ガソリンスタンドを創業157年目で電気自動車専門のレンタカー店に 三重・伊勢市
三重県伊勢市に、江戸時代創業の老舗を託された一人の女性がいます。“優雅な生活”を捨て、会社を引き継いだのは70代のときでした。さまざまな試練を乗り越え、現在も新たな挑戦を続けています。
江戸時代創業の老舗会社を新装開店 パワフルな女社長の挑戦
三重県伊勢市の古い町並みをスイスイ駆け抜ける、カラフルでかわいい電気自動車を、街の観光ツールとして売り出している人がいました。ちょっとおちゃめでパワフルな、大西昌子さん(76)です。
3年前、先代社長である夫・泰夫さんを病気で亡くし、会社を引き継いだ昌子さん。しかし、先代を慕ってきた従業員からは、一斉に辞表が…。税理士からも「ここでやめたら、あなたは優雅な生活ができますから」と言われましたが、それでも夫が大事にしてきた会社を諦めきれませんでした。 大西昌子さん(76): 「代々続いてきたのを、ここでやめていいのかと。よろしくお願いしますって頭を下げることから始めました」 会社への思いを熱く語り説得すると、その必死な姿に従業員も応えてくれました。今では「親に近いような存在になっている」と話す従業員もいるほど、信頼関係を築いています。
1年前には、75歳にして電気自動車専門のレンタカー店「Abyレンタカー」をオープン。もともとガソリンスタンドだった店を、創業157年目にして突然レンタカー店に変えてしまったのです。そのパワフルさは、近所の人も「信じたらまっしぐら。非常に一途な方ですね」というほど評判です。
会社を継いで3年がたった現在、昌子さんの情熱は自分の会社だけにとどまりません。 車を貸すだけでなく、地域ならではの魅力も発信したいと、地元の人しか知らない店などに足を運び、集めた情報を観光マップにまとめて、レンタカーを借りたお客さんに手渡しています。
大西昌子さん(76): 「来てくれたお客様が、単にレンタカーを借りるだけじゃなくて、伊勢の印象を良くしていきたい。それで帰っていただけるのが一番ありがたい」 70代にして新境地を切り開いた昌子さん。情熱あふれる挑戦は、まだまだ続きそうです。