台湾を包囲し「軍事演習」で威嚇…!中国を激怒させた台湾新総統の「許しがたい演説」と台湾人の「脅迫慣れ」
中国とすり合わせをした形跡はない
また、演説の内容面でも、中国が不満を持つ部分は多々あった。例えば、「台湾は総統直接選挙を行うようになって以来、すでに世界で最も勢い盛んに発展する民主国家の1つだ」は、台湾が民主化の面で中国に先んじていることを誇る意味合いがある他、主語―述語関係でいうと主語が「台湾」で、述語が「民主国家の1つ」なので、台湾が国家であることを主張している形になっている。 また、「いま、ロシア-ウクライナ戦争とイスラエル-ハマス戦争が全世界に衝撃を与え続ける中、中国の軍事行動と灰色の脅迫もまた、世界の平和と安定にとって最大の戦略的挑戦となっている」「私は中国に対して台湾に対する『文攻武嚇』(言葉で攻撃し武力で威嚇する)を停止するよう呼びかける必要がある」「中国が、中華民国が存在する事実を正視し、台湾人民の選択を尊重するよう私は希望する」「我々は平和の理想を追求するが、幻想を持つことはできない。中国が台湾への武力行使を未だ放棄しない中で、中国の主張を全面的に受け入れて主権を放棄したとしても、中国が台湾を併呑する企ては消えてなくなるわけではないことを国民は認識する必要がある」「中国からもたらされる各種の脅威と浸透工作に直面する中、我々は国を守る決意を見せなければならない」などと、中国の脅威を強調する文言が数多く並んでいる。 そして最後に、「我々は中華民国台湾の未来は2300万人(台湾の人口)が一緒に決めるべきだと主張する」「中華民国と中華人民共和国は互いに隷属しない。『中華民国』であれ、『中華民国台湾』であれ、『台湾』であれ、みな我々自身もしくは国際的な友人が我々の国を呼ぶ名称であり、どれも一様に高らかに響く」と締めくくっている。 つまり、「台湾独立」の4文字を言わない代わりに、それと同じような内容を様々な言い方で表現しているのである。この演説原稿からは、中国とすり合わせをした形跡は全く感じられない。