「うちの子は片づけができない」と悩む親が知っておきたい、大事なものをなくさない“2つの箱”とは?
でもね、部屋全体をきれいに片づけようと思わないでください。くり返しますが、何かを始めるときのハードルは、できるだけ低く設定しましょう。最低限大事なことは、必要なものが埋もれないこと、必要なときにとり出せることです。 そのためには、箱を二つ用意します。一つは貴重品箱です。ここに入れるのは、子どもがよく「ない! ない!」とさがし回るものや、「絶対になくしたくないもの」です。家のカギや携帯電話、携帯ゲーム用のソフトなどでしょうか。そんな貴重品は、ちょっとこぎれいな箱(ふたはないほうがいいですね)に入れるようにします。置き場所が重要で、ごちゃごちゃしたものにまぎれない「聖域」を用意しましょう。 もう一つは、一時保管箱。これは段ボール箱でかまいません。返却されたテストや、使い終わったドリルなど、「捨ててもいいかわからない」というものは全部この箱に入れてもらいます。床にじかおきしなくなるだけでも部屋は多少片づきますし、「やっぱり必要だった!」と思ったら、一時保管箱から引っぱり出せばいいのです。 一時保管箱は、定期的に整理しないと中身があふれてしまいます。それは親がやったほうがいいかもしれません。「不要」と思ったら即座に処分する習慣を身につけることも必要です。ちなみに私は、学校からのプリントはスマホで撮影してすぐに捨てます。無料のスマホアプリを使えば、簡単に管理できますからぜひ試してみてください。 〇中島美鈴(なかしま・みすず)/臨床心理士、公認心理師、心理学博士。専門は時間管理とADHDの認知行動療法。現在は中島心理相談所 所長。著書に『マンガでわかる 精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください 』(主婦の友社、マンガ/あらいぴろよ)ほか多数。最新刊に『マンガで成功 自分の時間をとりもどす 時間管理大全』(主婦の友社、マンガ/あらいぴろよ)。
中島美鈴