消防士になりたいという息子。「収入や福利厚生には満足している」が心配なのですが、プライベートの時間は十分に確保できているのでしょうか?
人の役に立つ仕事に就きたいと、幼い頃から消防士になりたいという夢を抱いている子どもも多いでしょう。一方で、親としては仕事内容や勤務スタイルがきつそうというイメージを持つ人も少なくないかもしれません。 今回は、消防士の仕事内容や収入、福利厚生を詳しく解説します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
消防士ってどんな仕事?
消防士とは、各市町村で採用される地方公務員です。「消防官」と呼ばれることもありますが、正式には「消防吏員(りいん)」といいます。消防士になるには「消防士採用試験」に合格しなければなりません。 消防士と聞くと、消防車に乗って火災現場に出動し、消火活動や救助活動を行う人たちというイメージを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、消防士は、ほかにもさまざまな任務を担っています。 ■消火活動 消火活動の主な仕事は火消しです。火災現場にいち早く駆けつけ、被害を最小限に抑えるために消火活動を行います。消火活動が終わったら、警察と協力しながら火災原因を調査するのも消火活動の一環です。 ■救助活動(レスキュー) 火災現場だけでなく、交通事故や水辺(海、川、湖)、山岳地帯などの災害現場で人命救助を行うのも、消防士の仕事の一つです。地震や台風などの天災が発生した場合には、管轄する自治体だけでなく、近隣や全国の自治体と連携をとることもあります。 ■救急活動 110番の連絡を受けて、救急車で病気やけがの人の応急処置を行い、搬送するのも消防士の仕事です。症状や処置の内容を細かく報告して医師に引き継ぎます。救急活動は、救急課程研修を受けた「救急隊員」の資格を持つ隊員のみが担当できます。 ■防災活動・予防活動 火災や水難事故などが起こらないように、地域住民の防火・防災意識を高めるための活動や指導をするのも消防士の大切な仕事です。自治会や小中学校の防災訓練に参加したり、消防署の施設見学を受け入れたりするなど、さまざまな活動を行います。 さらに、火災や災害の発生を予防するために、消防設備や安全性をチェック・指導を行う「予防活動」も、消防士の仕事の一環です。火災を未然に回避することで、安全安心に暮らせる街づくりに欠かせない役割を担っています。