長州力以来51年ぶり!「次も目指していく」レスリング・田南部魁星が2スタイル決勝進出…グレコ優勝逃すも
◆レスリング ◇全日本選手権 第2日 ▽男子グレコ67キロ級決勝 〇遠藤 Tスペリオリティー 4分22秒 田南部 ●(20日、東京・代々木第二体育館) 男子グレコローマンスタイル67キロ級で田南部魁星(22)=日体大=が準優勝を飾った。決勝で敗れて19日の男子フリースタイル65キロに続く優勝は逃したが、フリーとグレコの両スタイルで2位以上は、1973年のプロレスラー・長州力(本名・吉田光雄)以来、51年ぶりの快挙となった。 田南部が2日間で計8試合を元気いっぱいに戦い抜いた。「両スタイルのチャンピオンが50年出てない。自分がなりたかった」。長州力に並ぶ偉業を明確に意識していただけに、あと一歩で逃した悔しさはあったが、本職のフリーに加えて大学からグレコに取り組み、寝技の技術などを取り入れてきた成果を発揮。出場するだけでも過酷な挑戦を終え「次も目指していく」と目を輝かせた。 2歳の時、父・力さん(49)が銅メダルを獲得した2004年アテネ五輪を現地で応援し、憧れて始めたレスリング。「お父さんよりいいメダルを」と目指すは28年ロサンゼルス五輪。65キロ級はパリ五輪で日体大の先輩・清岡幸大郎(23)が頂点に立った階級だが「全力で倒しにいきたい」と闘志を燃やす。「一番の星」の思いが込められた名前のように、両スタイルの経験を生かし、ロス五輪の星になる。(林 直史) ◆長州力の両スタイル制覇 専大4年時の1973年全日本選手権で、フリーとグレコともに100キロ級で優勝。前年の72年にはフリー92キロ級で韓国代表としてミュンヘン五輪に出場。大学卒業後にプロレスに転向した。日本協会によると、全日本での両スタイル制覇は68年に藤本英男も達成。85年から2021年までは出場する選手がいなかった。 ◆田南部 魁星(たなべ・かいせい)2002年7月10日、東京都生まれ。22歳。4歳でレスリングを始め、日体大柏高から日体大に進学。2年時から全日本大学選手権2連覇。全日本選手権は23年にフリー61キロ級で初優勝し、史上6組目の親子制覇。姉・夢叶(ゆめか)さん(25)も元選手で19年に59キロ級で23歳以下の世界選手権優勝。
報知新聞社