88歳ボディービルダー 筋トレ・食・駄じゃれ 日々を支える 広島市の金沢さん、90歳まで現役目標
「日本の誇りになりたい。ごみじゃないよ」と駄じゃれ交じりに夢を語るのは、88歳のボディービルダー金沢利翼(としすけ)さん=広島市佐伯区。日本一に17度輝き、世界最高齢ボディービルダーの記録を更新し続ける。目標は90歳まで現役、130歳まで元気に生きること。金沢さんの挑戦を支えるのは日々の筋トレ、食、笑いのようだ。 【いつまでも現役でいるために】金沢さんの「7カ条」やある日のスケジュール
食事の基本は玄米・みそ汁・納豆
ボディービル歴は通算52年。広島トレーニングセンター(中区)の会長を務め、月―土曜の毎日2時間は自身も筋トレに励む。月曜は背中、火曜は脚などと、部位ごとに日替わりで集中的に鍛えているという。「筋肉を休ませる時間も確保したいんです。年をとった分、無理はせず、じっくり効かすことを心がけている」と話す。 食事の基本は玄米、みそ汁、納豆だ。肉は口にしない。「『にく』いわけじゃないけどね」とギャグを連発する金沢さん。大会出場前の減量期間は約50グラムの玄米に大豆や小豆をまぜて食べる。そして、足りない栄養素はプロテインやサプリメントで補っているという。 ただ、毎日鍛えていても筋肉を維持するのは厳しいという。「年齢に伴って筋肉は脚から落ちていくんです。『あし』からず」。高齢者には、ウオーキングなどで脚の筋肉の維持を呼びかける。 金沢さんのトレーニングセンターに通う中区のパーソナルトレーナー宮前亜寿香さん(49)は「限界を感じたり、大会後に燃え尽きたりしそうだが、金沢さんはそうならずに向上心を持ち続けているのがすごい」と話す。 「しわが目立つようになるかもしれないし、病気など何があるか分からない年齢」と自覚しているという金沢さん。20歳から続けたボディービルを34歳で中断。再開したのは50歳の時だ。病気がちな妻和子さんを元気づけたい思いだったという。57歳でマスターズ日本一になった時には自分のことのように喜んでくれた。そんな妻が亡くなった後も金沢さんは競技を続けてきた。