日本郵政グループ、増田新社長らが会見(全文2)よく知らせてくれたと言わないと
非常に難しい任務
衣川:それでは最後に私から、大きな会社をどうやって運営していくのかということについてお答えをさせていただきます。非常にこれは難しい任務だと思っておりまして、これさえやれば絶対うまくいくという妙案が直ちにあるわけではございませんけれども、やはり関係者とよく話をし合って、まず問題意識を共有していただくということに尽きるかなと思います。今、例として局長会、それからJP労組という2つ名前を挙げていただきましたけれども、日本郵便を経営している中では、やはり各支社によってもいろんなエリア特性を持っております。そういったこともお聞きしないといけないし、郡部と都市部でもまた、いろんな課題は違ってまいります。 そういったところで関係者と本当によく話をし合って、そういった意味では従来、話が出ておりますように、やっぱり会社の中の風通しを良くするということに尽きるのかなと思います。それでもって愚直に誠実に1つ1つ問題を解決していきたいと思っております。 それから春闘でございますが、たぶんご存じだと思いますが、春闘、これまでグループ一体ということで取り組んでまいりました。今年の春闘をどうするかっていうのはこれからでございます。体制も変わりましたので、具体的な取り運び、相手もございますけれども、増田社長の下、日本郵政株式会社とも相談をして、円滑に交渉を進めてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。 司会:よろしいでしょうか。こちらの2列目の方。
今後の販売戦略をどう立てるのか
NHK:NHK『クローズアップ現代』の望月と申します。まず増田社長と千田社長にお伺いしたいのですが、今回の不適正契約が大規模に見つかったということと、民営化の推進状況ということが何らかの影響があると思いますか。特に多様な保険商品の開発ができていない中で、低金利環境下で商品魅力が低下していて、貯蓄性の高い商品が主力商品というような分析をされていたと思うんですが、そういう状況はいまだ変わっていない中で、どういう形で今後顧客本位の戦略と、販売戦略ということを立てられていかれるのかと。 もう1つは、これも増田社長と衣川社長にお伺いしたいのですが、民営化とユニバーサルサービスという利益と公共性の両立という難しいかじ取りだと思うんですけれども、同じくやっぱり低金利の状況の中で、ほかの金融機関では支店の統廃合とかいうことに踏み込んでると思うんですが、郵便局において局舎の統廃合だとかアウトソーシングといった必要な効率化に踏み込んでいくというようなお考えはないのでしょうか。 増田:それではまず私のほうから、2つの点についてお答え申し上げます。確かに低金利の影響を受けて、かんぽのほうの商品の魅力度、貯蓄性の保険ということですが、金利が高いときですと魅力があったと思いますけど、そこが薄れているのは、これは事実だろうというふうに思います。ですが、だからといって、いろんな不正が許されるわけでは当然ないわけで、他の生保の皆さん方はそういう中でコンプライアンスを確立した中でいろいろやってる。 われわれは確かに、お話のとおり半官半民のような形になっているんで、上乗せ規制もありますけれども、しかし私はJRを見てもNTTを見ても必ず国営でやったものが民営化にいく過程の中ではどうしてもそういう移行期間というのが経過をしていかなければならないんで、その上で、民間会社として自立を図っていくと、そのときはもう本当に自分たちのさまざまな工夫が実現するんですね。気持ちは要はそういう民営化の中途半端なというようなことのせいにすべきではないというか、それをしては本当の民営化もできないし、サービスの向上にはつながらないと。やっぱり官業ですと、官業気質が今回もそうかもしれませんが、問題の矮小化につながるとか、いろいろな批判がありますから。 【書き起こし】日本郵政グループ、増田新社長らが会見 全文3へ続く