ソフトバンクＧ、中南米に再び熱視線－価値評価の正常化に「奮起」
（ブルームバーグ）： かつて中南米にベンチャーキャピタル旋風を吹かせたソフトバンクグループは、同地域への投資が今年活気を取り戻すとみている。テクノロジー新興企業のバリュエーションが厳しい調整を経て、より現実的になってきたことが背景にある。
ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドのマネジングパートナー、フアン・フランク氏は、高金利と魅力的な案件の乏しさで数年前から警戒感が高まっていたが、投資活動はこれから活発になるだろうと述べた。
「今後も健全な投資機会が複数見込まれるが、バリュエーションについては引き続き慎重を期すつもりだ」とフランク氏はインタビューで述べた。昨年後半に市場が回復し、創業者の期待値と投資家が提示するバリュエーションとのスプレッドは「著しく縮小した」という。
ソフトバンクは2019年、中南米に特化した50億ドル（約7500億円）規模のファンドを設定し、大きな話題を呼んだ。数年後にはさらに30億ドルを投じて２本目の中南米ファンドを設立し、ジムパスやラッピなどの主要出資者となった。2022年初期に当初の運用チームが去ってからは、既存ポートフォリオの管理に重点を置く戦略に修正した。
23年にソフトバンクの中南米投資チームが調査した企業は100社を超えたが、投資したのはわずか７社だったとフランク氏は述べた。
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昨年末の時点で中南米にコミットした投資額は78億ドル。それら投資の公正価値は63億ドルとされ、同年３月から６億ドル増加した。
フランク氏は「起業家の層が厚く、解決すべき大きな問題が残っていることに当社は奮起している」と語る。「2024年は非常に興味深い年になる。非常に強力な企業に関して、バリュエーションに示される期待値がずっと合理的なものになっているからだ」と説明した。
ソフトバンクが中南米投資に追加資金を投入する必要性が今後生じれば、約80億ドル規模のビジョン・ファンド２を活用できるとフランク氏は述べた。
