自殺見せかけ、踏切立ち入り仕向けて殺害の疑い 抵抗できない状態か
東京都板橋区の東武東上線の踏切で昨年12月、線路内に立ち入るように仕向けて男性を殺害したとして、警視庁は男性の勤務先だった塗装会社「エムエー建装」(東京都小平市)代表の佐々木学容疑者(39)ら男4人を殺人と監禁の疑いで逮捕し、9日発表した。認否は明らかにしていない。 【写真】事件現場となった踏切=2023年12月21日午後6時57分、東京都板橋区徳丸4丁目、長妻昭明撮影 同庁は、4人が長年にわたり同社元社員の高野修さん(当時56)=同区=に日常的な暴行や脅迫を続け、抵抗できない精神状態に追い込んだとみている。 捜査1課によると、ほかに逮捕されたのはいずれも同社従業員の島畑明仁(34)=東京都板橋区=、野崎俊太(39)=同東大和市=、岩出篤哉(30)=同小平市=の3容疑者。4人は共謀し昨年12月2日夜~翌午前0時ごろ、板橋区内で高野さんを車に監禁し、自殺に見せかけて殺害しようと同区徳丸4丁目の踏切に連れて行ったうえで、高野さんを線路内に立ち入るように仕向け、踏切内にとどまらせて電車に衝突させて殺害した疑いがある。 捜査関係者によると、4人は2日午後10時ごろ高野さん宅を訪れ、約1時間半滞在。その後高野さんは車に乗せられ、近くの荒川にかかる橋を経て踏切で車を降りた。野崎容疑者のスマートフォンからは「(高野さんが)川は嫌だから踏切に行きたいんだって」などの音声が見つかったという。 島畑容疑者がこの車を運転し、野崎容疑者も別の車で行動を共にしていた。4人による日常的な暴行が確認されたといい、同課は現場に行っていない2人についても共謀が成立すると判断した。(遠藤美波、藤田大道)
朝日新聞社