【時系列でわかる⑨】人質13人の解放と引き換えに…イスラエルが拘束の囚人39人を釈放へ(16日~24日まで)
■11月17日 ガザ地区 今月15日以降、支援物資の搬入滞る 燃料不足などの影響
イスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突が続くパレスチナ自治区ガザ地区では、燃料不足などの影響で今月15日以降、支援物資の搬入が滞っていて人道状況のさらなる悪化が懸念されています。 UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関によりますと、ガザ地区では燃料不足や停電の影響で今月15日以降、3日連続で支援物資が搬入されていないということです。 人道危機が深刻化する中、イスラエルは17日までに、アメリカの要請に応じてガザ地区に燃料を積んだトラックが1日2台入ることを承認しました。 燃料は上下水道の維持などに使われるということで、住民やイスラエル軍の兵士に感染症が蔓延するのを防ぐ狙いがあるとしています。 ただ、国連は、支援物資を運搬するだけでも1日あたり少なくとも12万リットルの燃料が必要だとしていて、今回のイスラエルの決定が人道状況の改善につながるかは不透明です。
■11月17日 イスラエル軍、ガザ地区南部への作戦拡大を示唆
パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエルとイスラム組織「ハマス」の衝突が続く中、イスラエル軍の報道官は17日、ガザ地区南部への作戦拡大を示唆しました。 イスラエル軍の報道官は17日、「ハマスが存在する場所なら、ガザ地区の南部であっても作戦を実行する」と強調しました。 イスラエル軍は、これまでガザ地区北部の住民に南部への退避を呼びかけていて、南部でも地上侵攻が拡大すれば、さらなる人道危機が懸念されます。 こうした中、ガザ地区最大のシファ病院にハマスが司令部を置いていると主張しているイスラエル軍は17日、「病院でさらに地下施設を発見し、人質の情報を収集している」と発表しました。 一方、シファ病院の医師は17日、ロイター通信の取材に対し、「イスラエル軍は病院内で何も見つけられていない」と述べたということです。
■11月18日 イスラエル軍が攻撃拡大、ガザ南部でも“せん滅作戦”へ
イスラエル軍によるガザ地区北部への空爆で、多数の死傷者が出ているもようです。避難所となっていた学校など2か所が被害を受け、少なくとも80人が死亡したとみられています。 パレスチナ側が公開した映像では、ガザ地区北部の学校の教室内の床に多くの人が横たわっている様子などが映っています。 中東の衛星放送アルジャジーラは、ガザ地区北部にある国連が運営する学校が18日、イスラエル軍の空爆を受け、数十人が死亡したと伝えました。 また、AFP通信などは、避難所となっていた別の建物も空爆され、子どもを含む多数の死傷者が出ていると伝えています。この2つの空爆で、少なくとも80人以上が死亡したとみられています。 こうした中、イスラエル軍が制圧したシファ病院をWHO(=世界保健機構)の公衆衛生専門家などで構成された調査チームが訪れました。病院内には銃弾や砲撃の跡が残り、患者の治療ができない状況で「人が生きる場所ではない」としています。 ただ、病院内には依然、32人の新生児を含む291人の患者がいます。イスラエル軍の突入後、治療ができなくなり、数人の患者が死亡しているとして、WHOは早急に退避できるよう準備を進めているとしています。 イスラエル軍はガザの住民に、北部から南部に避難するよう呼びかけてきましたが今後、南部でもハマスの殲滅作戦を行うとしています。 ロイター通信によりますと、南部のハンユニスなどでも18日、イスラエル軍の空爆があり、少なくとも47人が死亡したということです。