日本に避難から2年 戦争に翻弄される若者たち……ウクライナ留学生 将来の選択と決意『every.16時特集』
■ウクライナに戻るまで…“大きな決断”
ステファニーアさんは筑波大学の支援プログラムを終えて、「日本で大学院に進む」という大きな決断をしました。 筑波大学 内藤久裕教授 「(課題の論文を読んで)面白かった?」 ステファニーアさん 「はい。食料支援と内戦(の関係)を考えたことがなかったので…」 研究のテーマに選んだのは国際公共政策。その理由は―― ステファニーアさん 「(いつか)ウクライナに戻り、日本で学んだことをいかしたいです。特に戦争後の復興など日本から学べることはたくさんあります。命をかけている人たちのため、私は倍働き、倍努力すべきなのです」
■オンライン会話にも“戦争の影”
強い決意の一方で、家族と離れて暮らす寂しさも。首都・キーウに残る家族とはほぼ毎日、連絡をとるといいます。 母 イリナさん 「停電になったけど、その前にスマホの充電はできたよ」 ステファニーアさん 「ちゃんと電気がきているか聞こうと思ってたんだ」 何気ない会話にも戦争の影が。母のイリナさんに、娘が日本にいることについて聞くと… 母・イリナさん 「日本は比較的安全な国ですし、娘の周りには思いやりのある人がたくさんいます。娘がウクライナに残るよりも私は心配しなくてすみます。だから…とても感謝しています。娘がこんな素晴らしい機会を…」 ステファニーアさん 「わかった!もう泣かないで。だって私も泣いちゃうから」 少なくともあと3年、ふるさとを思いながら日本で学ぶことになります。
■帰国の目処がつかず進路も…
一方で、進路が決まっていない学生も多くいるといいます。 筑波大学 ウクライナ学生支援チーム 五十嵐 千恵子さん 「受験ですとか就職の活動がどのように進んでいるか、困っていることはないか。確認しながらアドバイスを行っています」 ユリヤ・ホムキナさん(21)※取材時 「ウクライナの大学で日本語を学んでいましたが、在学中に軍事侵攻が始まりました。(侵攻をきっかけに)日本の大学の支援プログラムについて調べて筑波大学を選びました」 帰国の目処がつかないなか、ユリヤさんも「日本での将来」に向けて動き出しています。 ユリヤさん 「失礼します」 この日、行われたのは支援チームとの面談。 筑波大学 ウクライナ学生支援チーム 野村 名可男 准教授 「就職と進学の2つ目的があって、両方準備しているっていうことで、大変だと思うんですけど…」 ウクライナで通っていた大学には戻らず、日本の大学に入り直すことが第一希望です。