<速報>マー君、復調気配も場外弾に泣き9奪三振3失点で9敗目
ヤンキースの田中将大が16日(日本時間17日)、敵地ボストンのフェンウエイパークでのレッドソックス戦に、後半戦最初の先発マウンドに立ち、7回3分の2を投げ、場外弾を含む8安打9奪三振3失点にまとめたが、援護点をもらえず0-3のスコアで9敗目を喫した。112球の力投でクオリティスタートを守り、スプリット、カットといった変化球のキレと制球に復調気配を感じさせる後半戦のスタートとなった。 2.5ゲーム差で迎えたレッドソックスとの首位攻防戦。そのダブルヘッダーのナイターゲームに田中が先発した。前日の試合が延長16回と長引き、投手力を消費したため、この日のデーゲームの先発には、急遽、故障明けのベテラン左腕サバシアを送り込み3-0で勝利した。だが、このナイターゲームでは、中継ぎ投手を無理してつぎ込みたくない状態だったため、ジラルディ監督は、「田中にはできるだけ長いイニングを投げてもらいたい」と、ノルマを課していた。 マー君は丁寧にボールを低めに集め鬼門の初回を切り抜けた。ここまで初回のデータは、19失点、8被本塁打だったが、初回からスプリットをウイニングショットに、ベッツを遊ゴロ、ベニンテンディを三振、ペドロイアを三ゴロと3人でピシャリ。だが、3回二死一塁から、ベッツに甘く入ったスライダーをレフトの巨大なフェンス“グリーンモスター”を越えて場外にまで飛ばされた。先制2ラン。打たれた瞬間、マー君は打球の行方を見なかった。被弾は今季24本目。 5回にも無死二塁のピンチを背負う。先頭のブラッドリーにレフトフェンス直撃の二塁打を打たれた。だが、ギアを入れた田中は、後続を許さずにホームを死守した。だが、6回に痛い追加点を許す。先頭のベッツの打球に伸ばしたグラブが弾かれ、二塁への内野安打。処理したカストロが一塁へ悪送球したため二塁まで進まれた。一死三塁となってから、ペドロイアに強烈なゴロを浴び、サードの右を襲ったその打球はレフトへ抜けた。田中は、7回から8回にもマウンドに上がり、二死一塁の場面で降板。9敗目を喫したが、ジラルディ監督の出したノルマはクリア、チームにとっては意義のあるピッチング内容となった。 一方、3点を追うヤンキース打線は、レッドソックスの今季4勝2敗の左腕プライスに初回、3回、7回と3度も先頭打者がヒットで出塁しながらも、1本が出ずに田中を援護できなかった。球宴のホームラン競争で全米の度肝を抜いたジャッジも、2三振、ノーヒットとふるわなかった。8回には、一死一塁から、ホームラン性のあたりをセンターへ放ったが、スタンドインの打球をつかみとるレッドソックスのブラッドリーのスーパープレーに阻まれた。ヤンキースは今季初の完封負け。 田中の前半戦は、7勝8敗、防御率5.47の成績。5連敗を含む8試合連続で勝ち星から見離されるなど、不調に陥っていたが、6月23日のレンジャーズ戦でダルビッシュと投げ合って8回無失点に抑えた試合から復調気配をつかんでいた。