NASAの次の有人月面探査車はどれになる? 3つの最終候補を比べてみた 1年後に決定
日本の探査車も完成間近
3社のうち、NASAに最も選ばれそうな探査車がどれなのかはまだわからないが、いずれにしてもその独占状態は長続きしないだろう。アルテミス7号が月に向かう頃には、日本の宇宙機関であるJAXAも独自の探査車を完成させている予定だ。こちらは与圧型であるため、宇宙飛行士は車内にいて宇宙服を必要とせず、ロボット潜水艇による海底探査とほぼ変わらない形で月面を探査することができる。 この探査車は、1回の充電で最低20キロ走行する必要があり、宇宙飛行士が最高30日間内部に留まれて、より長距離の探査が可能になる。「これが実現すれば、飛躍的な進歩です。中で生活できますし、宇宙服に縛られる必要がなくなります」と、米セントルイス・ワシントン大学の惑星科学者ポール・バーン氏は言う。そして月面に降りての調査が必要になれば、宇宙服を着ればいい。
文=Robin George Andrews/訳=荒井ハンナ