「おひとりさま」の遺産は誰が相続? トラブルを未然に防ぐ方法を専門家が解説
5月13日、政府は2024年1~3月に自宅で亡くなった一人暮らしの人が全国で2万1716人いることを確認しました。しかも、そのうち65歳以上の高齢者が約1万7000人で8割近くを占めているといいます。年間の死者数は約6万8000人と推計されるそうです。 【図】おひとりさまの相続はどうなる?イラストで図解 また、厚生労働省が身寄りのない人が亡くなり、引き取り手のない遺体について、初の実態調査始めることを発表しました。50代は、親の死などを経て、老いや死が身近になってくる時期です。上記のようなことも決して遠い先の話ではありません。 そして、この頃から、今まで経験してこなかったお金や健康、相続などに関する出来事も他人事ではなくなってきます。 特に子どもがいない夫婦やおひとりさまにとっては切実な問題です。「自分が死んだら、自分の財産はどうなるのか?」を知って、生前にできる限りの対策をとっておくことが大切となります。そのようなときに、どのような対策をとればいいのかをご紹介いたします。 (この記事は、相続実務士の曽根恵子さんが監修によるムック『子のいない人の相続準備』より一部を抜粋し、再編集しています)
おひとりさまの相続は、まず法定相続人を確認しておくことが大事
子どもがいない夫婦やおひとりさまの相続にとって、大事なのは「次に託す人が誰なのか、託す人がいないのかを確認すること」だと、相続実務士の曽根恵子さんはいいます。 「誰かが亡くなったとき、その人の財産をどうするかは法律で決められています。相続する権利のある人を法定相続人といいますが、配偶者は必ず法定相続人になります。その後、子ども、親、兄弟姉妹の順で法定相続人になります。 たとえば、子どもがいない夫婦で配偶者と死別した場合、親が生きていれば親と配偶者が財産を受け継ぎます。 親がいなければ配偶者と兄弟姉妹で分け合います。おひとりさまの場合も同様に、親がいれば親が相続し、親がいなければと兄弟姉妹が法定相続人となります」