「おひとりさま」の遺産は誰が相続? トラブルを未然に防ぐ方法を専門家が解説
相続後に異母きょうだいが発覚すると、円満な遺産分割協議はできない
ここで問題となるのが兄弟姉妹です。離婚や再婚をしている人が増えている昨今、異母きょうだいがいる可能性もゼロではないという点です。 曽根さんによると、「異父母きょうだいがいるのに相続まで知らなかった」ケースもあると言います。さらに、「相続後に発覚すると、円満な遺産分割協議はできないことが多い」と警鐘を鳴らします。 そのため、異母きょうだいの存在を確認しておく必要があります。親が離婚や再婚をしている場合は、特に気をつけましょう。
希望通りの相続のため「遺言書」を書いておくのもおすすめ!
異母きょうだいとはいえ、法律では立派な相続人です。もちろん、異母きょうだいでも仲良くしている人もいるでしょうが、音信不通だったり疎遠だったりする場合はどうでしょう。 そんな人に、財産を残したいと思うでしょうか。これは実の兄弟姉妹にも当てはまりますが、兄弟姉妹は法定相続人ではありますが、遺留分はありません。 遺留分とは、法定相続人が最低限受け取れる相続財産のことです。そこで、遺言書を残して、「兄弟姉妹に相続させない」と記しておけば、彼らに財産が渡ることはありません。 近年は、兄弟姉妹ではなく、甥や姪に財産を残したいと考える人も増えているといいます。同世代の兄弟姉妹に財産を残すよりも、お金を有効に使ってくれるという思惑がありそうです。
甥や姪に相続する場合は遺言書が必須
甥や姪に相続したいときに気をつけるべきポイントがあります。曽根さんによると、「甥や姪は相続人ではないため、遺贈するとした遺言書が必須」とのことです。 また、遺言書を公正証書にする場合は、本人確認のために当事者の住民票が必要となります。したがって、甥や姪本人の承諾が前提となるので注意してください。 いずれにしても、兄弟姉妹を相続人からはずす場合は、遺言書を残しておくことが大切となります。
自分の財産が配偶者の兄弟姉妹に渡る可能性も!?
配偶者がいる場合も、気をつけたいポイントがあります。自分の財産を配偶者に残すことに問題はないとしても、その配偶者が亡くなったらどうなるでしょうか。 子どもがいないわけですから、配偶者に残した財産は、配偶者の親や兄弟姉妹に渡ってしまう可能性もあります。自分の兄弟姉妹ならまだしも、配偶者の兄弟姉妹となるとほぼ赤の他人という人も多いのではないでしょうか。 そうした事態を避けるためにも、甥や姪に財産を残す選択肢は大いにありではないでしょうか。