古くて新しい!【ジンセンコスメ】は夏バテ肌にもいいこといっぱい!
古くから漢方で重用され、その効果を肌にもと、さまざまなコスメにも配合されてきた「ジンセン」。今改めて、その注目度が高まっている。その理由と「ジンセン」の持つ美容効果を、“スキンケア成分ハンター”の異名を持ち、多くのコスメの商品開発に携わる美容成分開発者の竹岡篤史さんに教えていただいた。残暑が続いて夏バテ気味の肌にもうれしい効果が期待できそうな、「ジンセン」配合コスメもご紹介‼️ 【写真】夏バテ気味の肌におすすめ! ジンセンコスメをもっと見る スキンケア成分ハンター 竹岡篤史さん ペプチドを用いた皮膚ワクチンの開発を経て、スキンケア成分開発に従事する美容成分の専門家。化粧品会社や製薬企業と共に共同研究・開発を続けている。2016年「In-Cosmetics Asia」にてイノベーションアワード金賞を世界で初めてアジアから受賞するなど、開発成分の多数が海外アワードで受賞。「『ジンセン』は食べてよし、塗ってよし。個人的にも愛用、注目している成分です」(竹岡さん) Q1.「ジンセン」「高麗人参」「オタネニンジン」は同じもの? 「『ジンセン』とは高麗人参のことで、産地によっていろいろな名前がつけられ、日本ではオタネニンジンと呼ばれています。つまり、『ジンセン』=『高麗人参』=『オタネニンジン』。また、私たちが普段食べているニンジンはセリ科ですが、『ジンセン』はウコギ科。それぞれの主な栄養素も異なり、ニンジンはビタミンAやカロテン、カリウムなど、『ジンセン』はジンセノシドやタンパク質、アミノ酸などとなります」(竹岡さん。以下同) Q2.漢方薬のイメージがあるけれど、どんな成分? 「漢方ではさまざまな植物の根に薬効があるとされ、古くから利用されています。『ジンセン』の根に含まれるジンセノシドには、疲労回復や滋養強壮の薬効があり、二千年以上前から漢方薬に利用されてきています。何年間育てたものか、どう加工するかで含まれる栄養素の種類や含有量が異なり、収穫した後の畑では植物が育たないと言われるほど、土のエネルギーを吸収している6年根は、含まれる成分の種類が多く含有量も高いとされます。また、根を乾燥しただけの『白ジンセン』よりも、さらに蒸した『紅ジンセン』は、よりたくさんの成分が凝縮されていると言われています」 Q3.肌にはどんな効果があるの? どんなコスメに含まれている? 「肌の鎮静・保湿、他の成分の浸透を高める効果が。『ジンセン』には血行促進効果があるので、血流をよくすることがポイントとなる育毛剤に配合されることから始まり、今では洗顔料から化粧水や乳液、美容液やマスクなどの化粧品に広く配合されています。メイクアップしながら肌ケアも、というアイテムも多くみられるように」 Q4.最近、改めて「ジンセン」の注目度が高まっている理由は? 「2023年から、光老化予防やメラニン抑制効果、抗炎症や抗細胞老化効果、肌が持つ機能を高める効果などがあることが論文発表され、『ジンセン』の可能性に期待が高まっています。2011年以降から皮膚への効果についての論文が数多く、しかも世界中で発表されているんですよ。それだけ、研究者も惹かれる成分ということ」 Q5.「ジンセン」配合の化粧品は、どう選べばいい? 「全成分表示を見ても何年根か? 『白ジンセン』か『紅ジンセン』か? など判断できないのですが、パッケージやブランドサイトに整肌成分やコンディション成分などと表記している場合は、ただ保湿だけではない効果が期待できることをアピールしたい場合が。海外では、Q4でお答えしたような効果のある有効成分として認められている国もあるのですが、日本の薬機法では認められていません。そのため保湿成分として記載されることが多のです」