藤田菜七子元騎手ら「スマホ不適切使用」でルール厳格化も防げなかったワケ… “他競技より甘い”の声もJRAはさらなる対策の方針
地方競馬・競輪・ボート・オートの場合
中央競馬以外の各公営競技では、開催前日の前検日に通信機器をすべて預けることになっている。いずれの競技も原則、数日連続して開催。そのため、約3~8日間、外部と接触も通信もできないのが当たり前となっている。ちなみに動画を見たい場合は、通信機能のないDVDプレーヤーが重宝されているとのことだ。 このように他競技が中央競馬より厳しい運用であるため、多くの競馬ファンからは「中央競馬は甘い」「全面的に持ち込み禁止にすればいいのに」と言われてしまう状況となっている。 ただし、他競技と中央競馬で共通するのは、通信機器の持ち込みは内規に違反するということ。競輪の場合は「管理秩序違反」、ボートレースの場合は「管理規定違反」に該当する。もちろん持ち込みが発覚した場合、通信機器の使用が八百長につながっている可能性の有無は内部で調査される。また、八百長の事実が確認されなかったとしても、一定期間の出場停止処分が下されることも共通している。
金属探知機を導入した韓国
日本と同様に公営競技が行われている韓国では2011年から金属探知機が導入されており、選手が宿舎に入る前に必ず通ることになっている。コロナ禍以前に開催された日韓競輪で日本の選手が韓国へ遠征した際に体験し、「うっかりカバンの中に入っていたのを届け出忘れしてしまうことも防げるので安心」と好評だったようだ。 そして日本でも、2020年に八百長事例が発覚したボートレースでは同年2月、ゲート式の金属探知機を導入することを発表。現在は全レース場へ導入されており、以降は通信機器持ち込みの事例は報告されていない。 2021年に騎手・調教師による不正馬券購入が発覚し一時期開催休止に追い込まれた笠松競馬でも、再開の際には、調整ルームへの入室の都度、金属探知機による身体検査、手荷物検査を実施することを発表。さらには監視カメラの増設や集音マイクの設置などもされており、二度と問題を起こさない決意を見せた。