1800万円弱の予想最高落札価格…日産R33「スカイラインGT-R」に注目集まるも流札! 理由は内装だけがカスタムされていたから…?
走行距離はわずか2万キロ
2024年5月18日、アイコニック・オークショネアーズがイギリス・ノーサンプトンシャー州で開催したオークションにおいて日産「スカイラインGT-R V-Spec」が出品されました。同車は、1995年に日本で納車され、最初の3年半を日本国内で過ごしたのち、1999年にイギリスのトイストア・モーター・カンパニーによってイギリスに輸入された個体でした。 【画像】日本から輸入された1台! 日産「スカイラインGT-R V-Spec(R33)」を見る(全35枚)
今回のオークションでも目を引く1台だった
日産R33型「スカイライン」に設定された「GT-R」は、1993年に9代目スカイライン(R33型)が発表された直後に開催された第30回東京モーターショーで、プロトタイプが公開されている。 つまりR33型スカイラインのシリーズに、高性能なGT-Rをラインナップすることは、最初から想定されていたことであり、当然のことのように走りを強く意識したクルマ作りが行われていた。 またR33型GT-Rには、オーテックバージョン40thアニバーサリーという派生モデルも1997年に誕生し、こちらはシリーズモデルとはならなかったものの、初代モデル、すなわちPGC10以来となる4ドアモデルも登場した。さらにVスペックや同N1などの設定が発売時から行われていたのも大きな特徴といえるだろう。 現在も輝きを保ったミッドナイトパープルのボディカラーに、新車からわずかに1万2500マイル(約2万km)という走行距離を刻むのみの魅力的なコンディション。アイコニック・オークショネアーズに登場したR33型GT-Rは、より趣味性の強いVスペックということもあり、今回のオークションでも特に目を引く存在だった。 ミッドナイトパープルのカラー(LP2)を持つこの世代のGT-R Vスペックはわずかに805台。車両を調査したかぎり、チューニングを受けた部分は皆無で、オリジナルのツインエキゾースト・パイプに至るまで、純正のものがそのまま装着されている。
2006年に整備を受けて以来、約48キロしか動いていない
このGT-R Vスペックは1995年に日本で納車され、それから最初の3年半を日本国内で過ごした後、1999年にイギリスのトイストア・モーター・カンパニーによってイギリスに輸入された。この時スピードメーターはマイル表示のものに変更されたが、現在でも素晴らしいコンディションを保つシートやハンドブレーキ、シフトブーツ等々のトリムは、日本でクロスからレザーに素材を変更しているというのがアイコニックの調査結果だ。 残念ながら日本でのブックパックとメンテナンスブックは紛失しているが、クルマのリフレッシュはイギリスのグリーン・アンド・ガレージによって行われ、タイミングベルトやスパークプラグ、すべてのフルードは交換された後、このオーディションに出品されたことは確認されている。搭載されるエンジンは280ps仕様のRB26DETT型。アクティブLSDやATTESA E-TS PROを搭載したことで、その走りにはさらなる軽快感が生み出されている。 イギリスで2006年に整備を受けて以来、現在までの走行距離はわずかに30マイル(約48km)。このモデルは運転するだけでセンセーショナルな気分にさせてくれる1台といえるだろう。ちなみに『ロード&トラック』誌の2019年7月号では、このモデルを評して「期待以上に優れているだけではなく。GT-Rの伝統の頂点に立つかもしれない1台」とレポートされている。アイコニック・オークショネアズが掲げたエスティメート(予想落札価格)は7万~9万ポンド(約1378万円~1771万円)。 だが残念ながら今回のオークションでは落札者が生まれることはなかった。これも後継車となったR34 GT-Rの人気に影響されたところなのだろうか。次回の出品を期待したい。
山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)
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