右折待ちのクルマは疑うべし!? 増加するバイクの右直事故をどう防ぐ?
ケース2:バイクが死角にいてクルマから見えない
一方、右折待ちのクルマから直進するバイクが見えない場合もあります。 例えば、渋滞している交差点などで、対向車線のクルマも右折しようとしていて、お互いに曲がろうと目で合図するなどで曲がったら、対向車線のクルマの直後に直進するバイクが出てきて衝突するケースです。 また、対向車線の直進するクルマが、渋滞で前に進めないため、右折したいクルマにパッシングなどで「どうぞ」と合図して譲った場合。「サンキュー」と右折車のドライバーが曲がったところ、対向車の死角から直進バイクが出てくるといったケースも考えられます。 さらに、バイクが、ほかの直進するクルマの左脇をすり抜けして走っているケースでも、右折しようとするドライバーからは見えづらく、右折した瞬間に衝突といった場合もあります。
バイク右折時も直進車に注意!
以上は、バイクが直進で、クルマが右折をしようとしている場合の例ですが、逆に、自分のバイクが右折待ちの場合でも、直進するクルマと衝突するケースもあります。 実際に、筆者も、こういったケースで怖い目にあったことがあります。それは、3車線の広い幹線道路の交差点で、右折レーンの先頭で停車し、信号待ちをしていたとき。 メインの信号機下にある右折用の矢印式信号機が青になったので、バイクを発進させ交差点に入ろうとしたとき、いきなり対向車線の直進するクルマが交差点へ突っ込んできて、あやうく衝突しそうになったのです。その時は、当然ながら、直進車側の信号は赤。つまり、そのクルマは信号無視をして突進してきたのです。 その時は、慌てて急停車し、なんとか直進車とは衝突せずに済んだのですが、まさに「ギリギリ」でかわした感じでした。もしぶつかっていたらと思うと、今でもドキドキしてしまいます。 しかも、その直進車は、何事もなかったように、そのまま走り去ってしまったので、今でも思い出すと、ちょっと気分が悪くなります。
対策は「かもしれない運転」
以上、バイクの右直事故でよくあるパターンを挙げてみましたが、いずれの場合も、対策としては「かもしれない運転」をするしかないでしょう。 まず、直進して交差点に差し掛かったときに、右折待ちのクルマがいたら、「あのクルマは急に曲がってくるかもしれない」といった心構えを持つこと。 バイクに限らず、運転中に不測の事態(急に右折待ちのクルマが曲がってくるなど)が起きると、運転者は焦ってしまい、適切な回避行動などが取りづらい場合も多いといえます。そのため、まずは、どんなことが起こっても対象できるような心の準備をしておくのです。 また、同時に、まさかの時には、いつでもブレーキ操作などをできるよう、ブレーキレバーに指をかけるなど、「体の準備」もしておくといいでしょう。 さらに、運転中は、どこか一点を集中して見るのではなく、できるだけ前方の広範囲を見て、信号や標識なども見落とさないことが大切。これらにより、右折待ちのクルマだけでなく、急に飛び出してくる自転車や歩行者なども早期に発見しやすくなります。そして、できるだけ早い段階で、そうした異変に気づけば、結果的に、急停車や回避行動などの対処もやりやすくなるのです。