同性も「夫・妻」表記へ 住民票続き柄欄で三重・伊賀市長が方針
三重県伊賀市の稲森稔尚市長は3日、同性カップルの住民票の続き柄欄を男女の事実婚と同じく「夫(未届)」「妻(未届)」と表記する方針を明らかにした。表記は2025年1月ごろ、始まる見通し。 市内に住む嶋田全宏さん(48)と加納克典さん(45)の同性カップルが3日午後、市役所で「日本では法律上の婚姻が認められていない。10年以上共に暮らしていても法律上は他人のままという現実に直面している」として、「誰もが自分らしく暮らせる伊賀市に向けて」続き柄欄の表記などの要望書を提出。受け取った稲森市長が表記を「すみやかに行うよう指示している」と説明した。稲森市長は「異性間ではできるが同性間ではできないのは差別と思っている」と述べた。 嶋田さんは「できるようになればすぐ手続きして住民票を変えたい」と話した。2人は「性の多様性に関する条例」の制定についても要望し、稲森市長は「中身のある条例をできるだけ早く制定したい」と述べた。 市によると、同様の表記は全国の自治体で12例目、東海3県では愛知県犬山市に続いて2例目になる見込み。市は16年、全国3例目で性的少数者のカップルを認める「パートナーシップ宣誓制度」を始め、これまで13組が宣誓し、現在11組が制度を利用している。【大西康裕】