【ミニレビュー】グランプリ受賞の実力、フルテックの電源ケーブル「Origin Power NCF(G)」
今話題のアクセサリーを毎週ピックアップして、音質改善のポイントをコンパクトにご紹介する「オーディオアクセサリーひとくちレビュー」。今回からは「オーディオアクセサリー銘機賞2025」の受賞モデルを順次ピックアップして紹介していく。まずは、グランプリ受賞(10万円以上)の電源ケーブル、フルテックの「Origin Power NCF(G)」をテスト! プラグとIECコネクターにはNCF素材を活用。ケーブルは極太だが取り回しはしやすい ノイズフロアが低くヴォーカルも濃くまろやか フルテックの新しい電源ケーブル、「Origin Power NCF(G)」。プラグとIECコネクターに特殊静電気対策素材NCFを配し、ケーブル内側のシースにはNCFとカーボン粒子を調合したPVCを採用。導体断面積は6.22sqと極太!! マランツ「SA-10」に挿して試聴してみた。アネッテ・アスクヴィークの「Liberty」はシーンと非常に静かな音場を背景に鳴り出す楽器の音、そしてヴォーカルが、濃くまろやかな質感。解像度は高くないのかと思いきや、ヴォーカルのリップノイズは克明。ノイズフロアがとにかく低いので生活音の残響も完全に消えるまで容易に追える。 タン・ドゥン『交響曲 1997「天、地、人」』ではたくさんの鐘、打楽器が演奏会場の空気を大きく震わせる。風圧を感じるほど。 ミケーレ・ラッビア,ジャンルカ・ペトレッラ,アイヴィン・オールセット「Nimbus」では圧倒的に低いノイズフロアに、うねる重低音の音像がいつものように拡散してしまわず、実体感をキープしたのには驚いた。完全に制動が効いているのだ。 おろしたてだと、ただ静かでまろやかな音のケーブルと感じられるかもしれない。しかしこのケーブルはエージングが進めば巨大なスケール感をダイナミックに描くようになる筈だ。
園田洋世