ミアネーロの〝勝負ローテ〟に主戦・津村も太鼓判

［ＧⅠ秋華賞＝２０２４年１０月１３日（日曜）３歳牝、京都競馬場・芝内２０００メートル］ 　現代競馬における最重要ポイントは牧場＝トレセンの連携。ぶっつけでのＧⅠ挑戦、１か月程度のレース間でも放牧に出ることが少なくない現状では、これがうまくいくかどうかが勝敗を左右する。 　ある意味、歴史的瞬間といってもいいだろう。前回のＧⅠスプリンターズを９番人気の伏兵ルガルが勝ったことで、「２０２４年　ＧⅠ外厩ランキング」（文末）において、業界の〝ガリバー〟であるノーザンファーム天栄、ノーザンファームしがらきを差し置いてチャンピオンヒルズが３勝で単独トップに躍り出た。年間のＧⅠを半数以上消化した時点でＢＩＧ２以外が頂点に立つというのは異例。それだけチャンピオンヒルズが力をつけ、また厩舎から信頼を得てきたという証拠だ。 　当欄も◎ルガルで宝塚記念ブローザホーンに続いてチャンピオンヒルズ凱歌のおこぼれに預かったわけだが…。この単独トップが三日天下に終わる可能性は捨て切れない。ノーザンファームがこのまま黙っているとは思えないからだ。特に今回の秋華賞は外厩活用馬７頭のうち、ノーザンファームの東西拠点にいたのが６頭（天栄＝５頭、しがらき＝１頭）という状況。これでは天下のノーザンファームが、あっさり〝ゲーム〟をチェンジしてしまうだろう。 　中でもミアネーロは、紫苑Ｓ（２着）を走った後に、天栄に出されている。わずか１か月強の期間での天栄往復は、厩舎と外厩の密な連携をうかがわせるものだ。その後は１０月２日に美浦トレセンに戻ったと思ったら、翌日には栗東トレセンへ出発。いささかせわしないローテにも映るが、〝外厩使用〟〝栗東滞在〟という関西圏の３歳牝馬ＧⅠに重要な２つのキーワードをクリアしたことは見逃せない。同じことを紫苑Ｓの勝ち馬クリスマスパレードもしているのだが、最終追いが絶品だったのはミアネーロのほう。９日のウッド３頭併せでは、外のステレンボッシュを手応えで上回る絶好のアクションを見せつけた。 　この勝負ローテが成功したことを証明したのは、誰あろう追い切りに駆け付けた主戦の津村だ。「めっちゃ良かった。ラストの動きが前走よりかなり素軽くなっています」。どうやらチャンピオンヒルズの穴馬の次はノーザンの穴馬のようだ。