日本の大学の学費は「人生で2番目に高い買い物」 海外では無償の国も
教育基金の日本型を
――教育国債や基金を作る形で、大学の財政を支えることについてはどうお考えですか。 必要なことだと思います。力がある大学は良いのですが、困っているのは中小の大学です。そういった大学も含めて、多くの大学が集まって教育基金の日本型を作るべきだと思います。各大学がもっと連携を深めていくことが大事だと思います。 ――受験生や保護者は、大学に対してどのような姿勢が必要でしょうか。 私は大学の学費を、持ち家に次ぐ「人生で2番目に高い買い物」と話しています。ですから、本来ならばもっと親も大学の内容を見なければいけないと思いますが、偏差値と就職先を調べるくらいで、教育の内容に関心が薄いように感じます。高い授業料を取って、いったい何をしてくれるのか。中身を真剣に知ることが大切です。 ――大学を知るためにはどうすればいいですか。 やはりオープンキャンパスですね。できれば複数回、足を運び、大学からの情報を受け取るだけでなくこちらから、学びの内容はもちろんですが、1クラスの人数や奨学金などを聞いてみればいいと思います。ただ、地方だとオープンキャンパスに参加するのも難しい。だからこそ、大学はもっと情報を発信すべきです。 <プロフィル> 小林雅之(こばやし・まさゆき)/桜美林大学教育探究科学群学群長。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(教育学)。広島修道大学助教授、東京大学大学総合教育研究センター教授などを経て現職。日本高等教育学会会長、文部科学省中央教育審議会臨時委員、衆議院調査局客員研究員なども務めた。専門は教育社会学。
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