転倒防止には足指力と関節の柔軟性が大事!【40歳から始める! 健康寿命を延ばす「手力・足力」!⑤】
日々、足の指を意識したり気遣っているだろうか? 実は歩くときなど、普段から足の指をしっかり使っていないと、将来、認知症になりやすいといわれている。認知症は健康寿命に関係する病。そこでこの回では、足指力をアップさせる方法を、看護師で英国ITEC認定リフレクソロジスト・アロマセラピストの市野さおりさんに伺った。
足指をしっかり使って足指力を強化!
足や膝、腰などに痛みはないだろうか? 実はそれらの痛みの根源は足指力の低下にあるというのだ。 「足裏、足首、膝、股関節、腰、これらに痛みのある人の歩き方を見ると、たいがい、浮き指や足首の蹴り返しのないすり足だったり、ペタペタ歩きだったりします。要は、足の指をしっかり使わずに歩いているのです。 正しい歩き方は、かかとで着地したら、親指と人指し指を意識しながら足裏をかかとからつま先に向けて接地させ、最後に足裏を後ろの人に見せるように、足指と足首を使って地面を蹴り返します。 歩くときにこうした動きをしていれば、足指の関節が柔軟になり、筋力も保持されます。ところが、この歩行ができていないと、足指の関節は硬くなり、筋力はどんどん低下。多くの人が浮き指になっていきます。 浮き指とは、立ったり歩いたりしているときに足指が地面に接地していない状態のことです。これではしっかり地面を蹴り出せないし、体のバランスをとることもできません。 こうして足首や膝、股関節、腰、果ては首にまで、偏った負担がかかることで痛みが発症するのです。また、足指力の低下は骨盤底筋の衰えにもつながり、頻尿や尿もれの原因にもなります。 体は全身つながっているので、足指などの体の末端を強化することは全身によい影響を与えます。末端の手足が温まると血管が拡張し、体全体の循環動態(血管や心臓などの循環系の血液の状態)も改善します。各臓器も温まるので機能が回復し、冷え症や便秘の解消にも役立ちます」(市野さおりさん) 普段、あまり気にしていない人も多い足指だが、足指の力が落ちていないかをチェックする方法がある。これはそのまま、エクササイズにもなるので、ぜひ試してみて! 【足指力チェック・エクササイズ】 「各足指の下に手の指を1本差し入れて、足指で手の指を踏みつけながら、その手の指を抜いてみます。なんの抵抗もなく抜けたら足指の力がかなり落ちています。手の指がなかなか抜けないように、各足指に力を入れる練習をすることで、それがそのままエクササイズになります」 1 裸足になり床に体育座りになる。