2部降格、ケガでの出遅れ…それでも再び輝き始めた橋岡大樹。ルートン、日本代表で見せつける3-4-2-1への自信
日本代表でも輝く「ユーティリティ性」
橋岡は、FIFAワールドカップ・アジア最終予選を戦う日本代表の11月シリーズ招集メンバーに選ばれた。直近の2シリーズではケガにより選外となっただけに、今回の代表戦に懸ける思いは一際強い。 「これまでの2回は、ケガで呼ばれなかった。代表は、前回のオーストラリア戦で引き分けています。次は中国、インドネシアとの戦い。両方アウェイ戦になるので、絶対に厳しい戦いになると思います。そこで自分がチームの力になれるよう頑張りたい」 橋岡には、複数のポジションでプレーできる「ユーティリティ性」がある。森保一監督が採用する3-4-2-1の両WBには、三笘薫や堂安律、中村敬斗、伊東純也といった攻撃的な選手が起用されているが、橋岡はこのWBだけでなく最終ラインのCBとしてもプレーできる。本人は「自分は右WBもできるし、ルートンでは右CBと左CBもやっている。そこは臨機応変に対応できる」とし、ポリバレントな能力でチームに貢献したいと抱負を語った。
日本人初の道。橋岡のイングランド挑戦2年目
橋岡は、何事に対してもとにかく前向きだ。そして、イングランドで高く評価される資質の一つである「コンフィデンス(自信)」に満ちあふれている。 プレミアからの降格が決まった直後は「2部に落ちた。あぁ落ちるんだ」とひどく落胆したというが、今では気持ちをきっちり切り替えた。目標は当然、プレミア昇格。そして、プレーのクオリティを高めることだ。 「降格は、もう過ぎたこと。あの時は悔しかったですけど、今は気持ちを切り替えています。 自分の目標に向かってやっていくだけです。チャンピオンシップで自分のプレーを見せつけて、『あいつすげえいい選手だな』と思わせたい。ここで輝きたいです」 過去を振り返ると、稲本潤一がアーセナル、フラムでプレミアに在籍した後、WBAとカーディフで2部リーグを戦った。またアーセナルに在籍した宮市亮も、ボルトンとウィガンへのレンタル移籍を通して2部リーグで修行を積んだ。 橋岡のように、プレミアから降格して同一クラブで2部リーグを戦うのは、イングランドの日本人選手では初めてのケースとなる。「今季がダメなら、すべてが終わりぐらいの気持ちでいる」と強い覚悟を決め、橋岡のイングランド挑戦2年目が始まった。 <了>
文=田嶋コウスケ