本当にヘルシー? 低脂肪や無脂肪の乳製品について知っておくべきこと
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
スーパーの乳製品コーナーで、判断に困る場合がある。ブランドの種類がたくさんあるだけでなく、同じ商品のように見えて、無脂肪の牛乳や、脂肪分1%、脂肪分2%、全乳、無乳糖など、実は選択肢が多い。一見簡単そうに見えて、夕食や朝のコーヒーにもっとも合うものを把握していないと、どれを選べばいいのか判断するのが難しい。
またサウスビーチダイエットを実践したことがある人なら、全脂肪乳製品に関する恐ろしい話や警告を聞いたことがあるはず。過去数十年にわたり、全乳は多くの栄養士や消費者の間で敵視されてきた。そして、その悪い評判を払拭するのは難しく、なかには牛乳を完全に除外して乳製品以外の選択肢を選ぶ消費者もいる。
でも、全乳は本当にそんなに悪いもの? 水っぽい無脂肪乳を買うことは、本当にカロリーの節約になる? 使用する乳製品の種類によって、料理にどんな影響がでるの? 次回スーパーで買い物をするときに、十分な情報に基づいた判断できるよう、さまざまな種類の牛乳と乳製品のおもな違いを詳しく見ていこう。
栄養価
全乳の脂肪含有量はほかの種類の牛乳よりもかなり高い気がするけれど、その差は思うほど大きくない。全乳には、平均して3.25%の脂肪が含まれており、これは低脂肪乳よりわずか数パーセント高いだけ。視野を広げると、生クリームには少なくとも36%の脂肪が含まれている。 では、その余分な脂肪は全乳のカロリー密度にどの程度影響する? それほど大きな影響はないみたい。全乳カップ1杯分のカロリーは149kcalで、同量の無脂肪乳は83.6kcalほど。この約65kcalの差は、アーモンド約9粒分(これはアーモンドの推奨摂取量の半分にも満たない)に相当する。 多くの全乳商品評論家は、これらの商品の栄養価が低いとされる理由に飽和脂肪酸を挙げている。この形の脂肪は長い間 “悪い脂肪” と呼ばれていて、長期間にわたって大量に摂取すると心臓病のリスクが高まる恐れがある。しかし飽和脂肪酸は、栄養士の多くがもっともヘルシーな脂肪源であると信じるエクストラバージンオリーブオイルを含め、私たちが食べるさまざまな食品に含まれている。 「牛乳には何百種類もの脂肪が含まれていて、ほかの食品からはあまり摂取できないものも含まれています。単独、または共同で有益な効果をもたらす脂肪もあります」と、栄養士のキャリー・デネットさんは『シアトル・タイムズ』紙で話している。 以前は、脂肪が全乳にとって栄養的に大きな欠点であると考えられていたが、新しい科学的データはそうではないことが示されている。医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載された2020年の研究では、全乳製品の代わりに低脂肪乳製品を摂取しても大きなメリットはないと結論づけている。この研究の著者は、栄養ガイドラインに対して、「全乳よりも低脂肪乳が望ましいと強調するべきではない」とまで提案している。どの牛乳やヨーグルトを買うかは個人次第だけど、その選択は栄養価によって左右されるべきではない。