高校生が自主企画でインドの綿畑を訪問 「服が好きだから本当のことを知りたい」
都立高校に通う高校3年生の福代美乃里さんはクラウドファンディングを実施して今夏、代表を務める学生団体「やさしいせいふく」のメンバーとともにインドのオーガニックコットン農家や縫製工場を訪れた。目的は、自分たちで作ったオーガニックコットンのTシャツの生産現場を自分たちの目で見て、作る人たちと対話をすること。「ファッションが好きだから本当のことを知りたい」と言う、その行動力には驚かされる。 【画像】高校生が自主企画でインドの綿畑を訪問 「服が好きだから本当のことを知りたい」
映画「ザ・トゥルー・コスト」に衝撃を受けて服を買わなくなる
WWD:オーガニックコットンなどに関心を持ったきっかけは?
福代美乃里 学生団体「やさしいせいふく」代表(以下、福代):中学3年生の時に先生のおすすめで観た2015年の映画「ザ・トゥルー・コスト」です。映画を通じて、私たちが着ている服が環境汚染や児童労働から成り立っているかもしれないことを知り、ショックを受けました。ファッションについては、自分で服を作るくらい好きだったけど、大量生産の弊害を知り、映画を見た直後の中学3年生の頃は何を着ていたか記憶にないくらい新しい服は買わなくなりました。でもファッションを楽しみたいから、今は古着から選ぶか「パタゴニア(PATAGONIA)」など取り組みを公開しているブランドから選ぶようにしています。新しいブランドを買うときは製造過程や環境への取り組みなどをできるだけ調べるようにしています。
WWD:そのときのショックが、自らオーガニックコットンのTシャツを作ることにつながるのですね。
福代:映画を見た後に仲間を得て、自分たちが理想とする服、つまり誰かを傷づけたりしていない服を作りたくて企業を訪ね、話し合いを重ねてオーガニックコットン使いの「やさしいせいふく」Tシャツが完成しました。
WWD:そこからさらに踏み込み、生産地であるインドを訪ねることになったのはなぜ?
福代:Tシャツを作る過程でもインドの縫製工場とオンラインでつながり紹介をしてもらいましたが、画面越しの生産者さんがどんな人たちでどういう環境で働いているのかを知りたいという気持ちがずっとありました。2022年に1年間、カナダに留学したのも生産者さんと直接会話をするために英語を話せるようになりたかったから。おしゃべりだから、語学の勉強は苦ではなかったです。