能年玲奈、6月末で所属事務所と契約終了 独立後、活躍の場は存在するのか
タレントの独立騒動や移籍騒動に業界内の目が厳しい理由とは?
芸能評論家の三杉武氏はこう語る。 「能年さんにもそれなりの言い分はあるでしょうし、所属事務所との契約内容を知らないので、一概に言い切れない部分もありますが……。それでも能年さんが女優として今の地位を築けたのは本人の才能や努力はもちろん、所属事務所のバックアップがあってこそ。移籍したタレントなどは別として、基本的に芸能プロは才能があると見込んだ新人タレントを育てるにあたり、レッスンを受けさせたり、売り込みをしたり、プロモーションを展開したりと、かなりの“初期投資”をします。この初期投資というのは、なにもお金の話だけでなく、時間だったり、人手をかけたり、そうした諸々の要素も含んでのことです。タレントがある程度売れるまでの間は、所属事務所がほとんど持ち出しで、そのタレントの才能を何とか開花させようと、ひたすら“投資”するわけです。もちろん、投資したからといって売れるとは限らないし、結果、陽の目を見ないタレントの方が大半です。そうした下積み時代の恩があるからこそ、多くのタレントは多少契約に不満があろうと、ほかの事務所からもっと良い条件を提示されようとも“古巣”を大切にするし、タレントの独立騒動や移籍騒動に対して業界内の目が厳しいのはこうした背景があるからでしょう」
大手事務所と仕事をするメリット
さらに、民放テレビ局の編成担当は、タレントの独立に関するリスクを指摘する。 「売れっ子タレントを数多く抱えている事務所を敵に回すと、当事者の事務所はもちろん、取引のある別の事務所からも“共演NG”にされたり、仕事の幅を狭めることになりかねません。それに、我々が大手事務所と仕事をするメリットとしては、不測の事態にも対応してくれるという要素があります。例えば、タレントさんが体調を壊して突然予定していた番組に出られなくなったりしても、代わりのタレントをすぐに用意してくれたり、迷惑をかけたからという理由で別の番組に売れっ子を出演させてくれたりと、関係性が深まっていきます。もちろん、こうした“お付き合い”に関しては、しがらみができるといったマイナス要素もありますが、トータル的にみればプラスの部分の方が大きい。個人事務所となるとこうはいきませんからね。最近では個人事務所に所属しながらも、大手事務所と業務提携という形で契約しているタレントさんも多いですしね」 となると、気になるのは能年の今後だが……。 「言われているように、個人事務所を窓口に芸能活動を続けていくとなると、所属事務所の存在もあり、テレビや映画、CMといった仕事に関しては難しい部分があるでしょう。可能性があるとすれば、それほど業界内の“しがらみ”のない舞台を中心に活動していくということになるのでしょうが、それはそれで大変だと思うし、大幅に露出が減るのは間違いないでしょう」(前出のマネジャー) テレビや映画で再び能年の笑顔を見る日は来るのか? (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)