ブロック注射にはどんな副作用や合併症がある? ペインクリニック専門医が解説
ペインクリニックでは、慢性的な痛みや神経痛を緩和するために「ブロック注射」という治療法がよく用いられます。ブロック注射とは、神経やその周囲に局所麻酔薬やステロイドを注入することで痛みの信号を遮断し、痛みを和らげる方法です。 【イラスト解説】ロキソニンは毎日服用・長期間服用するとどうなるか そこで、ペインクリニックで行われるブロック注射の具体的な内容やその効果、さらには知っておくべき副作用や合併症について「恵比寿いたみと内科のクリニック」の加藤類先生に解説してもらいました。
痛みの治療にはどんなものがある? 医師が解説
編集部: 痛みに対する治療法について教えてください。 加藤先生: 痛みの強さや原因によって用いる薬物や治療手段は異なりますが、通常はアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)など一般的な鎮痛薬を治療の最初に使用することが多いですね。 中等度以上の痛みがある場合は、もう少し強い鎮痛薬や漢方薬を追加します。薬物療法で痛みが抑えられない場合や、神経ブロックを行うメリットが明らかな場合には、治療の初期から神経ブロックを併用します。 特に慢性痛の治療においては、薬物療法だけでは効果が不十分なことが多いため、神経ブロックだけでなく高周波パルス療法や低出力レーザー治療などを組み合わせる必要があります。 編集部: 高周波パルス療法、低出力レーザー治療とはどんな治療ですか? 加藤先生: 高周波パルス療法とは、特殊な針を用いて痛みの原因となっている神経の周囲に高周波電流を流し、痛みの伝達や神経の興奮性を抑えて鎮痛効果を発揮する治療法です。 神経の炎症を抑え、細胞の機能を変化させることで通常の神経ブロックよりも長期間の効果が期待できます。低出力レーザー治療は、痛みのある筋肉や関節もしくは星状神経節に近赤外線レーザー光を照射する治療法です。 近赤外線は可視光線よりも波長が長く、組織への浸透性が高いため、皮膚表層から数cmの深さまで治療効果が期待できます。近赤外線レーザー光の主な作用は鎮痛、抗炎症、組織修復の促進、血行改善など多岐にわたると考えられています。