北欧高級EVブランド、ポールスターがCEO交代へ 後任は元オペル社長
設立から7年率いたCEOが退任
スウェーデンのポールスターは、トーマス・インゲンラート最高経営責任者(CEO)が10月1日付けで退任すると発表した。後任にはミヒャエル・ローシェラー氏が選ばれた。 【写真】「北欧感」漂う高級EV【ポールスター4の走りと内外装をチェック】 (13枚) 元自動車デザイナーのインゲンラート氏は、ポールスターが2017年半ばに親会社ボルボからEVブランドとして分離・独立した際に、その責任者に任命された。 7年間にわたり同社を率い、27の市場で4車種の発売、株式公開、複数の生産拠点の開設を監督してきた。 最近では、ボルボがポールスターへの出資比率を48.3%から18%に引き下げたことで、約7億5000万ポンドの外部資金を調達することになり、その交渉役を担っている。 インゲンラート氏は以前、AUTOCARの取材に対し、この出資比率の変更について「劇的な状況ではない」と述べ、資金調達に自信を見せていた。 しかし、それからわずか5か月後、彼は設立以来率いてきた会社を去り、10月1日からはローシェラー氏に指揮権を譲ることになった。 インゲンラート氏は辞意を表明し、次のように述べた。 「この7年間、共に成し遂げたことをとても誇りに思います。我々は、パフォーマンスとデザインを核とする高級電動ブランドというビジョンを持っていました」 「そしてそれを実現し、夢は現実となりました。ポールスターは、唯一のグローバル高級電動ブランドです。最近ではポールスター3と4を発表し、2つの大陸で生産しています。この旅でこれまで貢献してくれたすべての人に感謝します。皆さんと一緒にこのブランドを作り上げることができたのは、生涯忘れられない経験です。マイケルとチームがポールスターの次のチャプターでベストを尽くせることを祈っています」 退任の理由や今後の意向については明かさなかった。 後任のミヒャエル・ローシェラー氏は、オペルおよびヴォグゾールのCEOを務めた後、ベトナムのヴィンファストのCEOを短期間務めた。最近では米国のニコラ・モーターの社長を務めるなど、EV新興企業界ではおなじみの人物だ。 オペルには10年近く在籍し、2017年から2021年までCEOを務めた。その間に同社はゼネラルモーターズからPSA(現在はステランティス・グループの一部)に買収された。 ローシェラー氏は声明で、次のように述べている。 「ポールスターの歴史の中で、このようなエキサイティングな時期に入社できることを光栄に思います。ポールスターは、EVの分野で最も魅力的で革新的なブランドの1つとしての地位を確立しており、才能あるチームと協力して当社の発展を加速させることを楽しみにしています」 製品面でローシェラー氏が最初に取り組むのは、ポールスター3と4の納車開始を監督することだ。来年にはポールスター5を、その翌年にはポールスター6を発表することになる。
執筆 AUTOCAR JAPAN編集部