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税務署は「名義預金」に目を付けている
名義預金とは、本人が存在を知らない、あるいは管理していない預金のことを指します。 子どもの名義でも親が管理してる場合、それは親の預金とみなされます。そのため、親の相続が発生した際には、親の相続財産として計上しなければなりません。 名義預金とみなされるのは、以下のような場合です。 (1)本人が口座を管理していない (2)口座の通帳と印鑑は親が管理している (3)本人が口座の存在を知らない (4)口座を開設した金融機関が本人の住所地ではなく親の住所地の近くである (5)預金が預けられたままで口座の引き出しなどがまったくない このような名義預金は、税務署にとって重点的な調査項目にあたります。
調査対象になりやすい人の特徴は?
税務署は相続税の調査をする場合、亡くなった人やその家族の預金通帳を事前に金融機関へ問い合わせることが可能です。預金の流れを把握する際に、家族名義で大きな預金があることがわかると、「これは親から子どもへの贈与なのか、あるいは名義預金なのか」を明らかにするため、調査に入ることがあります。 本人が送金したお金であっても、被相続人が自由に管理できる状態にあると、今回のように名義預金の指摘を受けることが想定されます。 相続税の税務調査が実施された場合、必ずしも名義預金として課税を受けるというわけではありませんが、一定の要件に該当すればペナルティを負うことがあります。 相続税は、ほかの税金と比べて税務調査の対象となることが多く、名義預金は特に重点的に調べられることとなります。子どもや孫の口座に多額の預金がある場合、調査対象となる可能性が高まるため、注意が必要です。 宮路 幸人 多賀谷会計事務所 税理士/CFP
宮路 幸人
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