今と昔ではお金の価値はどれくらい違うのでしょうか? 昔を題材にした漫画やドラマで「お小遣い5円」で喜ぶ姿を見て疑問に感じています。
昔のドラマや漫画でお金の描写を目にしたとき、現在とお金の価値がそんなに違うのかと驚いたことがある方も多いでしょう。時代を超えてお金の価値が変わる背景の一つには、物価の変動があります。 同じ「1円」でも、昔と今では購入できるものがまったく異なり、その差を理解することが経済の仕組みや時代の移り変わりを知る手がかりになります。 ▼祖父の部屋から「大量の小銭」を発見! 申告は必要? 勝手に使うのはNGなの? 本記事では、昔と今で1円の価値がどれほど変わったのか、物価指数を用いて解説します。また、時代とともに移り変わるお金の価値について、缶ジュースやお小遣いといった身近な例を通して見ていきましょう。
お金の価値は時代とともに変化する
お金の価値は、物価の変動によって変化していきます。物価とは、商品やサービスなどの価格のことです。 物価が上昇すると、同じお金でも購入できる量が減少するため、お金の価値が低下します。反対に、物価が下がると同じお金で購入できる量が増えるため、お金の価値が高まります。 例えば、昔はチョコレート1箱が300円だったのに、現在までに物価が上昇し1枚600円出さなければ買えなくなったとしましょう。昔であれば、1800円で6箱のチョコレートを購入できましたが、物価が上昇した現在では1800円で3箱しか買えません。 つまり、お金の価値が半分に下がってしまったということです。物価が上昇した状況下では、これまで通りの生活水準を保とうとすると、より多くのお金が必要になります。 ■今と昔のお金の価値の差 お金の価値は今と昔では驚くほど変化しています。異なった時代のお金の価値を比較するためには、企業物価指数が役立ちます。ちなみに企業物価指数には、国内における企業同士で取引されるものを対象としており、サービスの価格は含まれていません。
出典:日本銀行「昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?」 より筆者作成 明治34年(1901年)と令和2年(2020年)を比較しましょう。明治34年当時の企業物価指数は0.469、令和2年の指数は675.5です。 ・675.5(令和2年)÷0.469(明治34年)=1440.3 約1440倍 2つの値を割り算することで、1円の価値には約1440倍もの差があると分かります。つまり、明治34年の100円は、令和2年では約14万4030円の価値に相当し、5円のお小遣いは、現在の約7000円に相当するということです。