意味なんか知らんけど……日本人ならではの語感で「微妙」「イケてる」輸入車車名を考えてみた!
かっこいい車名のクルマをピックアップ
昔どこかで耳にした「アンフィビアン」という外国語の響きを、妙に気に入っていた時期がある。どこの国の言葉で、どういった意味かはわからなかったが、響きから推測する限りではたぶんフランス語で、意味は「おしゃれな」みたいな感じだろうか? いつの日かフランス人と会話する機会があったなら「Tu es tresアンフィビアン!(あなたはとってもおしゃれですね!)」といってみようと、心に決めていた。 【写真】アルファロメオといえば四葉のクローバー! クアドリフォリオとは だが、数年後にふと辞書を引いてみたところ、アンフィビアン(amphibian)とは「両生類」を意味する英語であることを知った。フランス人に「君は両生類だね」といわずに済んで、本当によかった。 そして、これと似たようなことは「輸入車の車名」においても起こり得るだろう。実際の意味とはまったく無関係に、なんだか妙にイケてる感じに思える車名もあれば、その逆に「微妙……」と感じてしまう欧文車名もあるわけだ。 「意味はわからないが、妙にイケてる感じに思える車名」といえば、例えば、フォルクスワーゲンのフラッグシップセダン「アルテオン」だろうか。意味はよくわからないが、その響きと字面から推測する限りでは、エーゲ海あたりにある古く荘厳な神殿(の遺構)を意味しているはずだ。フラッグシップセダンにふさわしい、荘厳でよき車名である。 が、いまググったところによれば、アルテオンとは神殿ではなく「芸術を意味する“Art”と、最上級や永遠を意味する“eon”を組み合わせた造語」であるとのこと。ううむ、神殿ではなかったか。というか神殿で有名なのはパルテノン神殿だったか。そういえば。 それはさておき、ランボルギーニ・アヴェンタドールの「アヴェンタドール」も、キレがあるのにコクもあるというか、シャープでありながら肉感的でもある、スーパーカーにふさわしい素敵な車名であると感じる。イタリア語のことはよくわからないのだが、意味としては「イケメン闘牛士」みたいな感じだろうか? いや、いま調べてみたらアヴェンタドールとはイケメン闘牛士のことではなく「1993年にスペインのサラゴサ闘牛場に登場した、勇敢さと凶暴さで知られた伝説の猛牛の名前」であるらしい。ううむ。ちょっと違ったが、まぁ当たらずといえども遠からずといったところであろう(いや、遠いか)。 筆者がそれを購入できる機会は未来永劫にわたってないはずだが、ロールス・ロイスの各モデルは「イケてる車名」と「微妙な車名」の宝庫であるといえる。 ロールス・ロイスの車名でイケてるのは、たとえば「ファントム」だろうか。もちろんいうまでもなくファントムとは「幽霊」「幻影」などを意味する英語だが、どちらかというと個人的にはジェット戦闘機「F-4ファントム」をイメージしてしまう。マッハ2を超える速度で走ってくれそうな超高級車である。 そしてファントムに続く「ゴースト」もイカしているし、ロールス・ロイス初のピュアEVである「スペクター」も、車名単体としてキレがあってカッコいい。なんとなく映画『007 スペクター』を想起させるからというのが、この場合の“キレ感”の正体だが、調べてみると、スペクター(SPECTRE)とは幽霊・妖怪を意味する英語であるらしい。……「秘密組織の名前」じゃなかったのか。というかロールス・ロイスはファントムといいゴーストといい、幽霊系あるいは精霊系のネーミングが本当にお好きですな。