「通級」の障害児20万人 文科省、22年度調査
障害のある国公私立の小中高校生で、通常学級に在籍しながら必要に応じて別室などで授業を受ける「通級指導」を利用した児童生徒が2022年度に19万8343人に達し、過去最多を更新したことが6日、文部科学省の調査で分かった。今年1月に発生した能登半島地震の影響を考慮して、石川県については国立を除いて調査は行われなかった。 高校生は4年で4倍 21年度の18万3879人より約1万4000人(約8%)増えた。通級の児童生徒の8割は小学生だが、人数の伸び幅は中高生が大きい。高校での通級は18年度に始まり、利用生徒は508人だったが、22年度はその4倍に当たる2055人に増えた。 公立に限ると、通級の児童が在籍する小学校は全体の約8割。一方、公立中は50%、公立高は11%にとどまる。 通級する児童生徒の障害の種類は「言語障害」「ADHD」「自閉症」がそれぞれ2割超を占める。弱視、肢体不自由、病弱はそれぞれ1%を下回る。 義務教育段階の児童生徒数は直近10年間で1割減り、23年度は941万人。通級を含む特別支援教育を受ける児童生徒は約64万人(6・8%)で、10年前と比べ倍増した。特に通級の伸びが大きい。 国連の障害者権利条約は、障害のある児童生徒を一般の児童生徒と分けない「インクルーシブ教育」を提唱しているが、日本の現状はそれに逆行しているとの批判が上がっている。