有効求人1.95倍、空前の売り手市場…薄れる地元志向の中、〝金の卵〟争奪戦始まる 高校生の採用選考解禁
来春卒業予定の高校生を対象にした企業の採用選考が16日、鹿児島県内で解禁された。少子化などによる人手不足で、県内の高卒予定者の有効求人倍率は1.95倍(7月末時点)と統計以来最高を記録。空前の売り手市場の中、生徒たちは内定を目指し、真剣な表情で選考試験に臨んだ。 所属先が合わなければすぐ辞める…転職ハードル低い若者、頭抱える経営者
鹿児島市の鹿児島サンロイヤルホテルでは、県内各地の高校生7人が筆記と面接試験を受験。緊張した顔つきで長所などをアピールした。 同ホテルでは、専門学校生や短大生らを合わせ15人程度の採用を予定する。西前真宜人事総務部長は「働くと大変なこともあるが、それ以上にやりがいや楽しさがある。鹿児島の観光産業のためにも長く働いてほしい」と話した。調理職を希望する女子生徒は「学生時代の取り組みをアピールできた。世界で活躍できる料理人になりたい」と語った。 鹿児島労働局によると、来春の県内の高卒予定者向けの求人数は6171人(7月末時点)。求職者数は前年同月比95人減の3162人と売り手市場が続く。一方で、新型コロナウイルス禍で高まった地元志向は5類移行後、再び県外志向へ戻りつつあり、県内希望率は56%と昨年より3.4ポイント下がっている。
南日本新聞 | 鹿児島
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