国連「ウクライナ侵略決議」が否定した「弱者の屈従による和平」
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ウラジーミル・プーチン露大統領のウクライナ侵略(Aggression against Ukraine)は、国際社会に深刻な危機をもたらしている。この危機がどこまで深刻なものになるのか、まだ見通すこともできない。 すでに明白なことの1つは、国際社会の秩序に深刻な動揺をもたらした大事件である、ということだ。同盟国・米国をはじめとする欧米の友好諸国が団結して実施する経済制裁であっても、これまで日本が同調することは稀であった。しかし今回は、日本ですら、 ロシアのSWIFT(国際銀行間通信協会)決済体制からの排除 に協力するなどの踏み込んだ姿勢を見せている。それだけウクライナ危機は深刻なのである。 ウクライナ危機に対する国際社会の共通理解を確立したものとして歴史に残ると思われるのが、3月2日に第11回緊急特別国連総会で採択された 「決議A/ES-11/L.1(以下「ウクライナ侵略決議」又は「決議」と呼ぶ)」 だ。本稿では、この重要決議の内容を紹介しつつ、その意味を検討する作業を行ってみたい。
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篠田英朗