“危険なプロレス技”問題の対処法 カギは「合同練習」と「ムードメーカー」…主催者の見解
シードリング・南月たいよう代表にインタビュー
予期せぬ事件や衝撃のサプライズを含め、今年のマット界も例年以上にさまざまな話題を振り撒いてきた。その中で、定期的に話題に上るのが、プロレス技の危険性に関するもの。最近でもSareeeの放った裏投げを巡って論争が起こり、その火種は海外に飛び火したかと思えば、引退した選手も見解を述べ、迷惑DMが送られたSareeeが異例の声明を発表するなど、大きな波紋を呼んだ。そこで、この問題における一つの対処法を、令和女子プロレス界の一翼を担うシードリングの南月たいよう代表に聞いてみた。(取材・文=“Show”大谷泰顕) 【写真】身長173cm股下83cmの“美女レスラー”、美脚際立つ“またがる姿”に「めっちゃ似合う」 本題に入る前に、今年の女子プロレス大賞は、シードリングシングル王座とマリーゴールドワールド王座の二冠王である“太陽神”Sareeeの頭上に輝いた。これに関してシードリングの南月たいよう代表に話を振ると、「うれしかったですね。獲ったんだ。おめでとうって思いました」と話したが、呼び水となったのは、Sareeeが昨年8月、前王者の中島安里紗との死闘の末にシードリングのシングル王者になったことだった。それが前振りとなって、今年の大活躍につながったこと。これは最初に断言しておきたい。 さて、南月代表は、かつては“全女(全日本女子プロレス)最後の新人”としてデビューし、スターダムの旗揚げメンバーでもありながら10年間の現役生活を終えて、世界放浪の旅に出るという異色の経歴を持つ。2015年6月には現在、マリーゴールドに所属する高橋奈七永とシードリングを立ち上げ、2022年からは代表として女子プロレス界をけん引してきた重要人物の一人でもある。 そんな南月代表に、今回Sareeeが巻き込まれた裏投げ騒動について訊(たず)ねると、「Sareeeの試合の話に関しては、会場にいた人間にしか語っていいことではないと思うので、試合を実際に見ていない、切り抜きだけの動画とか他人から聞いただけの情報で話すつもりはないんです」とのこと。 その上で、個別の案件ではなく大前提の話として、「プロレスはコミカルだろうとエキシだろうと、打ちどころが悪ければ死場所はリングじゃないですか」と話した。 南月代表は、「そのためにレスラーは鍛えているわけで。その中でアクシデントとかけがとか起こることはありますけど、それはしょうがないって言ったら違うかもしれないけど、しょうがない面があると思うんです」と述べた。 これに関しては激しく同意で、そもそもリングに上がった選手が実戦するのがコンタクトスポーツである限り、大小の違いはあってもけがとは付き合っていかなければならない。それが嫌ならリングに上がらないこと。それしかけがから逃れることはできないだろう。