米小型株買われる、今週から株高シーズン開始と歴史が示唆
(ブルームバーグ): 25日の米株式市場で、最もリスクが高いとされる小型株に買いが入った。ラッセル2000指数は1.5%上昇し、終値ベースで約3年ぶりの最高値更新にあとわずかに迫った。
今週は歴史的に、米株式市場が季節的な上昇パターンに入る週だ。ストック・トレーダーズ・アルマナックによると、S&P500種株価指数は1950年以降、感謝祭前の火曜日から新年2日目の取引までの期間に80%の確率で上昇しており、平均2.6%の値上がりを記録。小型株はさらに好調で、ラッセル2000指数は79年の取引開始以来、平均3.3%上昇している。
ストック・トレーダーズ・アルマナックの編集者、ジェフリー・ハーシュ氏は「今、市場に逆行するのは難しい。トレンドに逆らうことはできない」と電話取材で語った。「S&P500種は今年これまでに20%余り上昇しているが、これによって年末に上昇する可能性は排除されない」と述べた。
S&P500種とラッセル2000は共に6営業日続伸し、9月以来の長期上昇局面となった。この期間にラッセル2000は6%、S&P500種は2%それぞれ上昇している。
楽観的見方の背景にあるのは、債券利回りの落ち着きだ。投資家は中東の紛争を材料視していないほか、米金融当局の連続利下げを受け、金利がピークに達しつつあると考えている。
また、トランプ次期米大統領が財務長官に指名したスコット・ベッセン氏も、同政権の貿易・経済計画の一部に穏健的な影響を与えるとみられており、センチメントの改善につながっている。
一方、こうした「ホリデーラリー」のトレンドに懐疑的な人は、インフレ高止まりや高金利、地政学的な緊張といった現在の市場の動向を理由に、熱狂的な見方を抑えるべきだと主張する。しかし、ハーシュ氏は長期的な要因や問題ではなく、短期的な材料に注目している。
11月から1月までは通常、1年で最も株式市場が好調な3カ月間となっている。企業や年金基金が11月1日から株式取得を増やす傾向にあるためだ。