長谷川博己「アンチヒーロー」強力布陣で挑む勝算 VIVANTスタッフと、日曜劇場7年ぶり主演で話題
4月期ドラマの注目作のひとつ、TBS日曜劇場『アンチヒーロー』が、4月14日にスタートした。 【写真】『アンチヒーロー』で主人公の明墨(あきずみ)を演じる長谷川博己 重厚な世界観の社会派ドラマで定評がある同枠だが、本作は「殺人犯をも、無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士を主人公に、「正しいことが正義か、間違ったことが悪か」をテーマにする。 公式サイトでは「新たなヒーローがあなたの常識を覆す逆転パラドックスエンターテインメント」と銘打っている一方で、第1話を見た印象は、正統派の法廷ドラマだった。
※以下、1話のネタバレがあります。ご注意ください。 ■VIVANTの脚本家陣が手掛ける 本作は日本の司法を舞台にするオリジナルストーリー。犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取り、「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨 (あきずみ )正樹を、『小さな巨人』(2017年)以来7年ぶりの日曜劇場主演となる長谷川博己が演じる。 脚本は、山本奈奈、李 正美、宮本勇人、福田哲平の4人が手掛けている。福田氏を除いた3人は日曜劇場の大ヒットドラマ『VIVANT』でも脚本に携わっており、強力な布陣が敷かれている。
第1話は、町工場の社長を撲殺した犯人として逮捕、起訴された従業員の容疑者・緋山(岩田剛典)の弁護士・明墨が、裁判に向けた弁護の準備をするところからはじまる。 犯行を否認し、無罪を主張する緋山に対して、検察は決め手になる証拠はない一方で、犯行時についたであろう指紋など4つの状況証拠を揃える。 明墨はその状況証拠を切り崩し、逆に無罪の証拠にすべく動く。 まず犯行現場に残された指紋は、犯行時以前についた指紋だと示した。さらに、犯行現場に居合わせ、社長と緋山の言い争いを証言した証人が、実は聴覚障がい者であり、検察の誘導によって偽証していたことを法廷で暴いた。
第1話の全体像は、無罪を主張する不利な状況の容疑者を信じ、法廷で検察と対峙する弁護士が主人公となる一般的な法廷ドラマだった。 優秀な部下たちを束ねて自身の法律事務所を仕切る明墨は、偏った信念を持つものの、聡明であり、クールに仕事で結果を残す正統派の弁護士として描かれている。一方で、その偏った信念につながるであろう、過去に影を持つ人物としての側面も見え隠れした。 ■法に触れない範囲で手段を選ばない“アンチ”