ブレンボとミシュランがグローバル契約締結 人工知能搭載型ブレーキシステム「SENSIFY」がさらに進化
ブレンボとミシュランは12月11日、インテリジェントソリューションの可能性を最大限に引き出すためのグローバル契約を締結したと発表した。 今回のパートナーシップでは、ブレンボが持つブレーキシステム、車両モデリング、人工知能の技術と、ミシュランが持つタイヤモデリングやアルゴリズム開発の専門性が融合される。 ミシュランの接続型ソリューションソフトウェアとブレンボの人工知能搭載型インテリジェントブレーキシステム「SENSIFY」の間でリアルタイムにデータを交換する仕組みが核となり、ミシュランが提供するタイヤのグリップデータによってブレーキシステムを精密に調整することが可能になり、SENSIFYの性能がさらに引き上げられるとう。 すでに初期テストを行なっており、第1段階ではミシュランのタイヤモデルとアルゴリズムがブレンボのインテリジェントブレーキモデルおよび車両シミュレーションと統合され、仮想環境で実施。第2段階ではミシュランの研究センターにあるテストトラックで実際の試験が行なわれた。 テストの結果、同じタイヤを使用したさまざまな条件下で、ABS作動中に最大4mの制動距離短縮が確認されたという。ブレーキシステムは反応時間の短縮、トラクションロスの最小化、横方向の安定性向上、ホイールロックの回避といった性能を発揮。これらの要素が相まって、よりスムーズで快適な運転体験が実現するとしている。 今回の発表について、ミシュラン オートモティブOE事業部 総責任者のセルジュ・ラフォン氏は「ブレンボのような業界のリーダーブランドと力を合わせることができ、大変うれしく思います。革新と卓越性への情熱が、ユーザーの安全性向上に向けた新たな一歩を踏み出す原動力となります。お客さまにタイヤをできるだけ長く、安心して使い続けていただくことは、ミシュランの重要な目標であり、その結果、消費者の購買力と環境の保護にもつながります。ミシュランは『データドリブン企業』として、シミュレーションとソフトウェア開発がタイヤのリアルタイムモニタリングに欠かせないツールとなっています。ミシュランとブレンボは共に、未来の車両向けのユニークなソリューションを築いていきます」とコメント。 また、ブレンボのCEOであるダニエレ・スキラッチ氏は「ブレンボでは、テクノロジーと人工知能の力を信じています。実際、私たちはキャリパー、ディスク、摩擦材に関する独自のノウハウや専門知識と、ソフトウェアの力を融合させた企業へと進化しています。SENSIFYは、事故のない世界というビジョンを実現するための次世代のブレーキシステムです。ミシュランとのパートナーシップは、自動車業界における革新と協力の重要性を物語っています」と述べている。
Car Watch,編集部:小林 隆