【ラグビー】日本代表・原田衛は「ヒットの精度を上げないと」。フィジー代表との決勝へ慢心なし。
センター分けだった髪を刈り上げた。 ラグビー日本代表の原田衛は、キャンプ先の宮崎で散髪。メンタルコーチの荒木香織さんに「切ったほうがいい」と言われたからのようだ。今年初代表もすでにリーダー格の25歳は笑う。 「切ってみようと思ったら、こんな髪型になりました。はい」 顔も変わっていた。激しい練習であざを作っていた。9月15日、東京・秩父宮ラグビー場。パシフィックネーションズカップ準決勝がキックオフされる前から、すでに痛々しい様子だった。本人はこうだ。 「(傷ができたのは)えーと、水曜日ですね。コンタクトで。はい。(プレーに)支障はないです」 約1週間前の予選プール最終戦では、坂手淳史ゲーム主将の故障に伴い前半途中から出場していた。緊急登板にもかかわらず攻守で気を吐いた。 セミファイナルでは、自然な流れで先発機会を勝ち取った。 「先発のほうが(トレーニングの仕組み上、主力同士で)練習する機会が多いので調整がしやすいというのはあるんですけど、まぁ、いつもと変わらず淡々とやっていました」 スクラム先頭中央のHOとして75分間プレーし、49-27で白星を得た。 「暑いコンディションでしたけど、日本らしい走って勝つラグビーが体現できたと思います」 相手はパワフルなサモア代表だったが、向こうの走者へ立ち向かってはゲインライン上で仕留めること複数。特に前半30分頃には、大ピンチをしのいだ。自陣ゴール前左隅で、モールの脇から抜け出してくるランナーの走路に回り込んだ。WTBのマロ・ツイタマとともにタックルした。 この動きに、兵庫県出身の本人は「『あ、そこに(駆け込んで)来んねや』と思いながら走っていました。インゴールで1個トライを防げてよかったです。本当は僕のあれ(守る領域)ではなかったんですけど、(走者が)見えたので。たまたまです」と謙遜。全体を振り返れば、反省点もあると言った。 引けを取らなかったフィジカルバトルについても「(サモア代表は)強かったです」とし、決勝へこう気を引き締めた。 「ちょっとタックルを外していたところもあった。エディー(・ジョーンズヘッドコーチ)さんにも言われました。ヒットの精度を上げないといけない」 フィジー代表とのファイナルは21日、東大阪市花園ラグビー場でキックオフ。 (文:向 風見也)