平気で「減塩味噌」を使う人が知らない超残念な真実 「本当に減塩になっている?」「“裏側”にある“ヤバすぎる落とし穴”は?」それでも買いますか?
減塩味噌は6~10%だそうですが、なかには「塩分2~3%」というものもあって驚きます。 なぜこのようなことが可能なのかというと、これこそが前々回記事「平気で『安い味噌』使う人のあまりに深刻な盲点」で説明した「速醸」のなせるワザです。 長期熟成なら1年以上かかるところを、1~2カ月でできてしまうから、塩を減らして作っても、熟成中の腐敗の心配がないのです。 味噌から塩を抜けば、たしかに減塩味噌ができます。
しかし、その引き換えに「見えない“裏側”で“失われているもの”がある」ことを忘れてはいけません。 ■減塩と引き換えに「裏側」で失っているものは…? 本来、味噌は煮たり蒸したりした大豆をつぶして、麹と塩を加え、長期熟成させて作るものです。 この熟成期間に麹が生み出す酵母によって大豆を分解し、アミノ酸に変わることで、味噌独特の風味やうま味が醸し出されるのです。 冒頭のAさんが「減塩味噌がおいしくない」「子どもの頃の味噌汁はおいしかった」というのも当然のこと。
70代のAさんが子どもの頃に飲んでいた味噌汁の味噌は、「昔ながらの長期熟成の味噌」だったのでしょう。 長期熟成には別の利点もあります。 大豆にはたんぱく質だけでなく、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などなどの栄養素が豊富に含まれます。発酵することによって、これらの物質の吸収率がよりよくなるのです。 減塩味噌と長期熟成の味噌の違いは「テイスティング」をすれば一発で見抜くことができます。 「平気で『安い醤油』買う人の超残念な盲点【後編】」で醤油のテイスティングを紹介していますが、その味噌バージョンです。
方法は簡単で、減塩味噌と昔ながらの長期熟成味噌を用意して、大さじ1杯(およそ15~18g)の味噌を200ミリリットルのお湯で溶いて飲み比べるだけです。ゆっくり舌で転がしながら風味や後味を味わってみてください。 お湯を昆布やかつおだしに変えると、もっとわかりやすいと思います。 醤油同様、普通に味噌をなめただけでは、「どれも同じようなもの」といっていた人も、ぬるま湯に溶かしてみると、「全然違う!」と驚きます。