春季県大会を制した長崎日大の監督は「まだまだチームは未熟」、14年ぶりの夏甲子園へのカギは化学変化
春季長崎大会を制した長崎日大。指揮を取るのは、同校の卒業生でもある平山清一郎監督である。2018年夏の大会終了とともに監督に就任。チームを22年、23年に2年連続でセンバツに導くなど堅実なチームづくりで定評がある。そんな平山監督に今年のチームについて話を伺った。 【動画】 名門・長崎日大の冬の練習に密着
あと1つ上のランクへ!
今年の長崎日大は、例年に比べて3年生の数が17名と少ない。これは、他の学年と比べても10人程少ない数だ。とはいえ、人数が少ないからといって、チームが一つにまとまっているかというと、そうではない。だからこそ、平山監督はチームとしての伸びしろを期待している。 「チームとしては未熟な部分ばかりなんです。春季大会決勝戦の前にも『まだ一つになっていないよ』と選手に話をしました。 その中で、なんとか粘り強く勝つことができましたが、チームとしてはまだまだです。もっともっと、力を発揮できるチームになるんじゃないかなとは思います」 チームが一つになる引き金はどこに落ちているかわからない。これからチームに起こるポジティブな化学反応にを平山監督は楽しみにしている。 期待しているのは、三丸 悠成・西尾 海純・加藤 太陽・山田 小次郎の3年生4選手だ。 三丸・西尾はタイプの違う本格派右腕である。三丸は淡々と切れのある強いストレートを投げ込むのに対し、西尾は力投派。計算できる2人の投手をリードするのが捕手の山田。打撃では、弱点が少なくチャンスに強い加藤と三丸が中心となる。
2010年夏を最後に甲子園から遠ざかっている長崎日大。 再び夏に聖地を訪れるためには、チームの中心となるこの4名の活躍が必要だ。一方で平山監督は、彼らに続く選手の台頭を期待している。 「彼らを中心選手から引き下ろすような選手が出てきてもいい。中心になるのが5人、6人になればもっとチーム強くなると思う」 夏までにどのようなチームに変貌していくのか注目したい。 最後に。 平山監督と投手陣のグループLINEがある。グループLINEでは日々のトレーニングの様子が動画で共有されたり、練習や試合での気付きが取り交わされている。まさにデジタル版野球ノートだ。選手がよく触れるアプリを、情報共有のツールとして活用するのは理にかなっていると言える。伝統校だが、効率的なツールは取り入れるところに、平山監督の柔軟さを垣間見た気がした。